古くから漁業が盛んに行われている新潟県では、近年、水揚に大きな変化が起きている。
新潟県水産海洋研究所の所長・藤田利昭さんは、「獲れる魚種が少しずつ変わってきていることは事実です。例えば、サワラという魚が平成に入ってから急に獲れるようになりました」と話す。
主に瀬戸内海などで水揚げされてきたサワラ。
1998年以前は、新潟県でほとんど水揚はなかったが、近年、急激に獲れるようになっている。北上してきた要因のひとつは、海水温の上昇だという。「この100年で世界中を平均した海水温は0.5℃上がっているだけなんですが、新潟の近海ですと1.7℃上昇していて、他の地域より上がり方が激しいという特徴があります。魚が獲れるのには大きな周期がありますから、温暖化のせいばかりとは言えませんが、温暖化が原因のひとつであることには間違いないと思います」と、藤田所長は語る。
さらに、サワラが北上してきたことを境に、もうひとつ大きな変化が起こっている。スケソウダラやホッケなどが獲れなくなってきているのだ。そのため、新潟県では、なるべく早く情報を出すように努め、漁師たちを保護。このように、海の変化には対応が必要となる。そこで、新潟県海洋水産研究所では、海の状態について、データに基づいた分析・情報提供を行っている。
変わりつつある海の環境。
私達もその変化に気づき、対応する取り組みを考えるべきなのかもしれない。
素材提供:日本財団「海と日本プロジェクトin新潟」
協力:株式会社新潟放送