海の中で生息する海草アマモ。実は、このアマモは「海のゆりかご」と呼ばれ、重要な役割を果たしている。その役割とは、魚達の隠れ家。アマモによって、大きな魚から身を隠すことができ、捕食されにくい。そのため、魚たちの生息地や産卵の場所として海の生態系を影で支えているのだ。
しかし、瀬戸内海では大幅に減少してしまったという。「瀬戸内海では30年ぐらいで70%のアマモが減った」。そう話すのは、アマモの研究者の福田富男さん。実際に、1971年には、22,000haほどもあったアマモだが、1990年には、約6,300haにまで激減。
その理由は、沿岸域の開発。高度経済成長期に行われた護岸工事などによって、アマモ場が消滅していった。
その結果、漁獲量も減少。岡山県では、2010年の漁獲量が1970年の三分の一以下になってしまった。
そこで、岡山県では、およそ30年前、全国初となるアマモの再生活動をスタート。その活動には、子ども達も協力している。
岡山市立小串小学校。この学校では11年前から再生活動に取り組んでいる。2016年9月に種を撒き、アマモを大切に育ててきた。そして、2017年4月29日、学校近くの相引海岸で、そのアマモの苗を植えつける作業が行われた。植えつけ作業に参加した子どもは、「アマモがいっぱい生えることで、キレイで豊かな海になってほしいです」と話す。
実際に、再生活動の成果は着実に現れ、アマモ場の面積は最低だった時の3倍にまで復活した。
植えられたアマモが、また新たな海のゆりかごをつくっていく。
素材提供:日本財団「海と日本プロジェクトin岡山」
協力:山陽放送株式会社