北陸屈指の景勝地「東尋坊」がある福井県坂井市三国町の安島地区。ここは、アワビ、ウニ、サザエ、ワカメ漁などが盛んで、昔から海と共に生きてきた。そんな安島の人々にとって、常に海を想い、感謝する気持ちを象徴するのが、神の島として崇める雄島、そして、この島にある大湊神社。
この神社では、春になると、1000年以上も続く例大祭「雄島祭り」が開催される。このお祭りは、海で生きる安島地区の想いを正に象徴するものだという。安島地区青年団の団長・西野雄史さんは、「雄島祭りの日は、かけがえのない1年でとっても大切な日だなと思っています。その理由は、この海の恵みを受けて育ってきたということが、やはり大きいと思います」と語る。
そんなこのお祭りでは、船の形をした舟神輿がくり出す。その後、地区の災厄を祓い、大漁と海の安全を願うため、安島地区の細い路地を練り歩く。そして、夕方、鯉のぼりが泳ぐ雄島橋を勇壮に渡り、最後は、なんと海へと突入する。これは、お清めのため、そして、安全と豊漁をお願いする代わりに神様を楽しませる意味があるのだそう。
海の恵みに感謝し、安全と豊漁を祈るため1000年以上も伝承されてきた大切な雄島祭り。これからも後世に伝えていくために、西野さんは、「子ども達にも、しっかりと僕たちのその姿を見てもらいまして、海への感謝と共にお祭りを未来へ繋げていって欲しいです」と語る。
素材提供:日本財団「海と日本プロジェクトinふくい」
協力:福井テレビジョン放送株式会社