安全・そなえ

甚大な被害を受けた能登の漁業者に向けて「海の地図」で支援!──海の地形を最新測量で可視化する日本財団「海の地図PROJECT」が紙版・スマホ版を提供

●能登半島の被災地へ「海の地図」を提供──復興への新たな一歩

2024年1月1日に発生した能登半島地震。その震災からの復興支援として、2025年9月4日、日本財団「海の地図PROJECT」が「海の地図」を提供することを発表しました。このプロジェクトは、2022年から日本財団と日本水路協会が取り組み、推進しているもので、航空機からのレーザー測量(ALB)で海岸線の浅い海域(0~20m)を地図化する取り組みです。

●海の地形を可視化することで漁業再生へ

震災により能登半島周辺の海の地形は著しく変化しました。例えば、能登半島の先端にある珠洲市の禄剛崎で海底地盤が隆起。同様の地形変化は木ノ浦海岸など能登半島北部一帯で起こり、この地震による隆起は垂直方向に最大5.2mにも達しました。この影響を大きく受けているのが漁業者です。輪島市の門前町黒島地区の沿岸では、震災によって幅200m前後の陸地が出現。その結果、港は干上がり、漁に出られなくなっています。こうした被害を受けた漁業者の復興を支えるため、日本財団「海の地図PROJECT」が緊急対応に乗り出しました。プロジェクトでは、能登半島北部沿岸の「海の地図」を作成。防水加工した紙版とスマートフォン版を例外的に他の地域に先行して提供することになりました。この日、石川県漁協輪島支所で行われた説明会では、座礁の危険回避や漁港の整備にも活用できるなどの利活用策が示されました。

●新しい漁場探索の鍵に!「わじま海藻ラボ」石川代表が語る海の地図の可能性

約12年前から輪島の海藻を調査・研究してきた「わじま海藻ラボ」の代表・石川竜子さんは、「海の地図」が漁業復活の鍵にもなると考えています。「砂場だったところに岩がポツポツ出てくるようになった。それはまさにイシモズクが新しくつく漁場になるようなところ。(地図があれば漁師のみなさんに)新たな漁場探索にも使ってもらえる」と話しています。

「海の地図」上に見えてきた能登の海と漁業再生への道。海の地図PROJECTでは、全国版に先駆けて、今後も被災地限定で提供範囲を広げていくということです。

素材提供:日本財団「海と日本プロジェクトinいしかわ」
協力:石川テレビ放送株式会社

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