8月4日、世界最大級のコスプレの祭典「世界コスプレサミット2019」で発表されたのが、新たな海洋ごみ対策プロジェクト。「進撃の巨人」に登場するエルヴィン・スミスのコスプレで登壇した日本財団の海野光行常務理事が、「このプロジェクトの敵は“海洋ごみ”であります。その海洋ごみは、われわれ人類自身のワガママが生み出した、言わば“巨人”です」と、「進撃の巨人」になぞらえて話したように、海洋ごみ問題は人類の脅威として深刻になっている。
そこで、この新たな海洋ごみ対策プロジェクトは、世界コスプレサミット実行委員会と日本財団が2020年にむけて開始。国内外のコスプレイヤーに協力してもらい、「一斉清掃活動」、「国際シンポジウム」、「アワード」という3つの柱を実行していくという。
その中でも、海野常務理事がコスプレイヤーに参加してもらいたいと話したのが、「アワード」。これは、海洋ごみ対策を目的に実施した活動・取り組みを世界中のコスプレイヤーから募集する「アクション部門」と、海洋ごみを減らす・再利用する・再生するなどを意識したコスプレイヤーのコスプレ衣装レシピを募集する「コスチューム部門」を設置。そして、優秀な取り組みを表彰し、例えば、グランプリに輝くとアクション部門では100万円、コスチューム部門では20万円、というように受賞者へ活動奨励金まで贈呈するという。
また、この日、プロジェクトの発表だけでなく、コスプレイヤーによる会場周辺の清掃活動なども実施。「ONE PIECE(ワンピース)」に登場するポートガス・D・エースのコスプレで参加した外国人コスプレイヤーは「僕たちはもっと環境問題について意識を持つべきだと思うよ。プラスチックをどんな風に捨てているかとかね」と語った。
このように、国内外のコスプレイヤーに協力してもらい、海洋ごみ対策を進めていくという。世界コスプレサミット実行委員会の実行委員長・小栗徳丸さんは「コスプレイヤーさんは“表現者”として、『自分がやっているコスプレを通じて社会的な貢献をメッセージできる』ことに喜びを感じる、というのを気付かされました。そして、作品の愛があるゆえに、コスプレした時には、社会に対して良い働きかけが出来るように努めているのが、コスプレイヤーなのだと思っています。そのため、我々はこれからの1年で、この活動の賛同者を増やす、そして、国際シンポジウムでは、みんなの住んでいる地球のことについて語り合うというのが、『コスプレで世界をひとつに』ということの体現かなと思うので、大成功に向けてこのプロジェクトを頑張っていきたいと思います」と語った。
さらに、声優の古谷徹さんは、「第2回の世界コスプレサミットからゲストとか審査員として参加させて頂いて、もう16回になりますが、コスプレイヤーにとっても“ごみ”というのは深刻な問題です。そのため、コスプレイヤーのみんなでごみ拾いに立ち上がるというのはとても良いことですし、世界中にたくさんのコスプレイヤーがいますので、ぜひコスプレイヤーの力を借りて、ごみを少しでも減らせたらいいと思います」と語り、「海洋ごみゼロ運動、いきまーす!」とエールを送った。