生態系

ミシュラン星シェフらが美味すぎるサステナブル料理を創造|小泉農水相を動かした寿司職人の資源急回復マグロ・超高級中華サメ肉の麻婆豆腐・産業廃棄物オカラと牡蠣のラザニアほか豪華饗宴の食の祭典

●超一流シェフたちが集い、サステナブルなフードフェス開催!激減&高騰する海の恵みに向き合う

持続可能な海と食の未来を考える料理人の団体「Chefs for the Blue(シェフス フォー ザ ブルー)」が、「THE BLUE FEST/ブルーフェス」を2025年6月8日に開催しました。

世界海洋デーに合わせて1日限りで開かれたこの祭典は、国内トップクラスのシェフ30人あまりを一堂に会した魚介料理のフードフェスティバル。テーマは「美味しくて海にやさしい一皿」です。この設立以来初の大規模イベントに、2019年からミシュランで星を獲得し続け、団体の最古参メンバーでもあるフランス料理店「Sincère(シンシア)」の石井真介シェフは「こんなに大きなイベントができて本当に感慨深い。僕たちはお客さんに提供する以上に、シェフたち全員で一度料理がつくりたかったので、今回はそれができただけでも嬉しい」と感慨深げでした。また、イベントの数日前には、Chefs for the Blue がとりまとめ、森健水産庁長官と小泉進次郎農林水産大臣へ水産資源危機に関する緊急政策提言を直接手渡しましたが、料理界の現状や調理現場からの声なき声を集め、その提言書の作成に尽力したひとりが、すしの名店「日本橋蛎殻町 すぎた」の店主・杉田孝明さん。杉田さんはブルーフェスで水産資源と寿司について赤裸々に語ってくれました。「正直に言って、未利用魚を使うとかフードロスをなくすとかは、すし屋としては非常に難しい。ただ、私たちも前の世代からいただいたものを使わせてもらっているだけなので、私たちもそのバトンをちゃんとつなげていかなくてはいけないと思う」。

●おいしい料理の提供で終わらない──料理人が海と社会に果たす役割

こうした超一流シェフたちがこの日のために考案したメニューは、どれも持続可能な水産資源を意識したもの。また、食事の合間には、団体のメンバーや海の今をよく知る生産者たちがマイクを握り、それぞれの立場から真摯な声を来場者に届けていました。Chefs for the Blueの代表理事・佐々木ひろこさんは「私は常々、料理人というのは2本の手を持っていると言います。ひとつは生産者とつなぐ手。もう一本は食べ手とつなぐ手。このふたつの手を持っていて、自分たちのレストランでこれらをつなぎ合わせることができる」と料理人だからできることがあると改めて伝えていました。

●ひと皿に込められたメッセージ──Chefs for the Blueの挑戦は続く

海と食文化の未来を見つめ、さまざまな活動を通じてコミュニティの輪を広げてきたChefs for the Blue。メンバーたちの思いはそれぞれがつくり出す料理の中に最も良く表れていることでしょう。

●【THE BLUE FEST/ブルーフェス「提供メニュー」】

https://chefsfortheblue.jp/news/2257

・【シンシア】 石井 真介 「海光物産大野さんの瞬〆スズキのパイ包焼き」
・【八雲茶寮】 梅原 陣之輔 「キハダのきらすまめし 黄飯」
・【恵比寿 えんどう】 遠藤 記史 ,【日本橋蛎殻町すぎた】 杉田 孝明, 【鮨 やすみつ】 綿貫 安秀 「大西洋クロマグロ– 伝統が未来と出会う、その瞬間」
・【ラ・カーサ・ディ・テツオ・オオタ】太田 哲雄 , 【クラフタル】大土橋 真也 「岩魚とカカオのビビン麺」
・【茶禅華】 川田 智也 「白海老と伊勢海老を詰めた脆皮手羽先」
・【メログラーノ】  後藤 祐司 「大西洋クロマグロとレモンのタリオリーニ」
・【アムール】 後藤 祐輔 「チヌのフィッシュボール 茸と新玉ねぎのスープ」
・【チェンチ】 坂本 健 「きゅうりと新生姜のリゾット アカエイの麹漬けとパクチー」
・【ドンブラボー 】 平 雅一  「北海道産 天然サクラマスの冷製パスタ」
・【慈華】  田村 亮介 「 ヨシキリザメの麻婆豆腐 」
・【コンヴィヴィオ】 辻 大輔 「虫明の牡蠣を使ったラザーニャと山椒」
・【レーヌ デ プレ】  中原 文隆 「スープドポワソン」
・【そ/s/KAWAHIGASHI】 中東篤志 「アイゴと若狭わかめ」
・【ラ・ボンヌ・ターブル】 中村 和成 「真鰯のマリネ、フェンネルのサラダ」
・【中むら食堂】 中村 拓登 「真鰯の酢締め 炙り燻製」
・【コケ】 中村 有作 「ニシン月桃マリネのコカ」
・【ビーニ】中本 敬介, 【チェネッタ・バルバ】 藤田紘一 「水蛸のラグーとポレンタビアンカ」
・【リストランテ ナカモト 】 仲本 章宏 「アンニョロッティ、サワラのトマト煮込み」
・【Bistrot 64 Japan】 能田 耕太郎 「アカエイとブロッコリーのローマ風スープ」
・【鰻 はし本】 橋本 正平 「鰻タレの牡蠣のオイル漬」
・【てのしま】 林 亮平 「豪快鰹わら炙りたたき、てのしま流アジフライ」
・【パーラー江古田】 原田 浩次 「魚肉ソーセージのHotDog」
・【御料理ほりうち】 堀内 さやか 「宍道湖のしじみと山菜の煮麺」
・【レストラン モトイ 】 前田 元 「インディーズ魚のシュウマイ」
・【ラ ペ】 松本 一平  「さかな人」長谷川さんの低利用魚の白ワイン蒸し ブールブランソース」
・【ラチュレ】  室田 拓人 「フィレオMADAIバーガー 」
・【チョンプー】 森枝 幹 「マグロのおすしみたいなやつ」
・【ドロワ】 森永 宣行 「そば粉のガレット ダルスと鰯」
・【ノー・コード】 米澤 文雄 「チカメキントキのトスターダ」

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