●瀬戸内4県が一斉清掃!「世界一美しい海」を目指す‟瀬戸内オーシャンズX”
瀬戸内海に面する香川・岡山・広島・愛媛の4県が、大規模な海洋ごみ回収イベント「瀬戸内4県 一斉清掃大作戦!」を7月5日の同日同時刻に連携して実施しました。この取り組みは、日本財団が4県と共同で推進している瀬戸内海をキレイにする海洋ごみ対策プロジェクト「瀬戸内オーシャンズX」の一環です。
●香川県・手島に集まった240人が目の当たりにした「海洋ごみの現実」
各県の知事も参加し、香川県の池田豊人知事は開会式で「瀬戸内海は世界に誇れる海。一方で海ごみの問題がある。特にプラスチックごみは看過できない。漁業にも影響があり、生態系にも影響がある。これを私たちの力で何とかしなければならない」と呼びかけました。そして、「がんばるぞー!」「おー!」という全員での掛け声のもと、各現場で一斉にごみ拾いがスタートしました。
今回、香川県が清掃を行った場所は、丸亀市沖に浮かぶ離島・手島の海岸。ここは、普段は人が足を踏み入れることのないエリアです。流れ着いた大量のごみは、海岸を越えて藪の中にまで入り込み、散乱していました。そのごみを拾うのは、桟橋のない海岸にも上陸できる特別な船でやってきた県内の高校生や親子連れを含む、約240人のボランティアです。参加者は炎天下の中、協力して3トン以上ものごみを回収。海洋ごみ問題の深刻さを実感したようです。「サンダルやビン、缶、プラスチックごみが多かった」、「陸から結構離れているのに発泡スチロールが思ったよりいっぱいあって、ここまで運ばれるのかとびっくりしました」、「ちょっとくらいなら捨ててもいいかと思ったものが、積み重なってここまで流れてきている。これからは自分たちの意識をもっと変えていかないといけないなと感じました」
●4県で計26トンのごみを回収!広がる海洋ごみ対策の連携と継続
同様の清掃は、岡山県岡山市(旭川河川敷)、広島県江田島市(荒代海岸)、愛媛県伊方町(御所ヶ浜)でも行われ、この日の4県全体での参加者は約1000人。回収したごみの総量は約26トンにも上りました。今年5年目の瀬戸内オーシャンズXが行った大規模な一斉清掃。日本財団の笹川陽平名誉会長は「(この5年間で)瀬戸内海の4県の皆さんが、ゴミに対する認識を深めてもらったことが、日本全体に広がりつつあるので、ここが起点になることで、今度は世界で海洋を美しい海のまま保存するためのスタートの地になると思う」と語っています。
日本財団と瀬戸内4県は今後も包括的なごみ対策を継続していくことで合意しており、瀬戸内海における海洋ごみを減少に転じさせたいとしています。