海洋ごみは世界規模で大きな問題となっています。海洋ごみは海岸に打ち上げられて景観を損なったり、海の生き物を傷つけるなど、様々な問題を引き起こしているのです。
そんな中、海に面していない京都府亀岡市では、2013年に川と海の環境保全を目的に、内陸に住む人たちで出来ることを提案・実行するため「川と海つながり共創(みんなでつくろう)プロジェクト」を設立。毎年夏には環境学習プログラムの「こども海ごみ探偵団」を結成し、河川ごみや海洋ごみの調査を実施しています。2019年は、舞鶴市の「野原海水浴場」周辺で調査を行いました。川と海つながり共創(みんなでつくろう)プロジェクトの委員長・塚本政雄さんは「(亀岡市を流れる)保津川とは直接繋がっていませんが、日本海側でも多くのごみが出ているということで、舞鶴のごみの調査をやりましょうとなりました」と、その経緯を語っています。
調査を実施すると、美しく豊かな海の奥クズロ浜にも危機が迫っていました。そこには、大量のごみがあったのです。その海洋ごみを参加者47人で、80袋も回収しました。さらに、どんなごみがあるかを世界共通の「国際海岸クリーンアップ」調査品目で記録します。その調査品目は例えば、「破片/かけら類(直径2.5cm以上のもの)」という項目でも、硬質プラスチック破片、プラスチックシートや袋の破片、発砲スチロール破片、ガラスや陶器の破片と4つに分けて集計するように、様々な品目ごとにデータを取っていきます。その結果、ペットボトルが129個でトップの個数、歯ブラシや文具など生活雑貨が90個と2番目に多い個数となるなど、そのほとんどが生活ごみでした。そして、その調査結果は、ごみ問題解決のために活用されると言います。参加した子ども達は「大きい発砲スチロールやペットボトルがたくさんあったので、もしまた今度見かけたら拾っていきたいです」、「海には国境がないから、粉々になっても届くことを知ってビックリしました」と感想を語っています。
海洋ごみ問題を目の当たりにした子ども達。その体験が問題解決への第一歩になるはずです。
素材提供:日本財団「海と日本プロジェクトin京都」
協力:株式会社京都放送