海のそなえ未来会議2019夏 in ららぽーと豊洲が7月22日に行われた。このイベントは、子どもの水難事故をゼロにするために、「海」と「海のそなえ」について親子で学んでもらうもの。
イベントには、脳科学者として多数のメディアに出演している人間性脳科学研究所の所長・澤口俊之さんなどの有識者たちが登壇。「水平線の広さとか、においとか、あるいは波のリズムが脳にいい。欧米では、大人にとっても子どもにとっても海が良い影響を与えるという研究結果が出始めています。自然体験の中では、オーシャン(海)系と森林系がありますが、オーシャン(海)系が日本は多いので行かないのはもったいないんですよ。なので、是非とも海に行って頂きたい。そうすると、子どもは学習能力が上がるし、将来 男女ともに結婚もしやすくなるんです」と、澤口俊之さんが脳科学の観点から海へ行くことのメリットについて語るなど、参加した親子は「子育てと海」について学んだ。
その一方で、海の危険性とそなえの重要性についても知った。日本ライフセービング協会の石川仁憲さんは「波がないところで泳ぎなさいとお父さんお母さんは言うかもしれませんが、実はそこが最も沖に向かう流れ“離岸流”のある場所なのかもしれない」と海の知られざる危険性について語った。実際に、海上保安庁の「海難の現況と対策」によると、子どもだけでも海での事故で毎年30人ほどが亡くなっているという。
そこで、イベントでは、海のそなえのひとつとして、ライフジャケットの試着コーナーを設置。その他にも、子どもの海への興味を促進するワークショップコーナー「海の生物塗り絵体験」なども開催。参加した親子は「絶対ライフジャケットを着けようと思いました」、「安全性への配慮も親としての責任があるので、しっかり子どもを見守って楽しい夏が過ごせたらいいなと思います」と語るなど、夏本番となる8月を前に、海のそなえの大切さを楽しく学ぶ1日となったよう。
澤口俊之さんは「実は最近の子ども達は脳が疲れている。それが海に行くと癒されるという研究もあるので、ぜひ行ってほしいです」と語り、一般社団法人 吉川慎之介記念基金 代表理事・吉川優子さんは「安全ということだけではなくて、ライフジャケットがあると楽しい活動ができるんだということを、実際に着用して遊んでもらうことで体感してもらいたいなと思います」とも語った。