伝統文化

古から博多の海の男達が大切にしているお守り“事無き柴”

博多湾の東に位置する志賀海神社。
この神社では、毎年8月に七夕祭が行われるが、その時、博多湾近郊の漁師たちが続々と集結する。そのお目当ては、事無き柴。この事無き柴は漁師たちにとって大事なお守りなのだ。

志賀海神社は、多くの漁師が昔から信仰している海の神様の社。そんなこの神社では、七夕祭の2日間のみ事無き柴という海の安全を願うお守りが授けられる。志賀海神社の権禰宜である平澤憲子さんによると、「事無き柴は、神功皇后が三韓出兵の時に無事に帰ってこられたことに由来するものです。ですから、無事に帰ってこられるという意味があり、葉を持っていくと、無事に帰って来られるという意味で、皆さん一葉一葉持っていかれるんです」と話す。三韓出兵とは、日本書紀に書かれているほどの古代、神功皇后が朝鮮半島へと出兵した戦のこと。事無き柴は、そんなはるか昔からの伝承だという。

漁師たちは祭りの日、神社を参拝した後、1年の漁の無事を感謝しながら事無き柴を返納し、新たに購入する。購入した漁師たちは、「1年のお礼やけんね」、「漁師にとって1年の始まりが、また今日から始まるんですよ」と、事無き柴への想いを語る。

博多の海の男達は、海神様に見守ってもらいつつ、また1年、漁に励むのだ。

素材提供:日本財団「海と日本プロジェクトinふくおか
協力:RKB毎日放送株式会社

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