生態系

海の宝石・真珠を守る最新技術

海の中で育まれる宝石、真珠。
実は、その真珠の養殖を世界で初めて成功させたのが、三重県。日本の十大発明家としても有名な御木本幸吉が、明治26年に相島(現在のミキモト真珠島)で成功した。そんな真珠の養殖には、4、5年もかかる。まず、母貝となるアコヤ貝を大きくなるまで約2年間育てる。次に、成長した貝の体の中に、厚みのある貝ガラを丸く削った「核」と、外套膜という器官を小さく切った「ピース」を入れる。その後、約2年間海の中で成長させると、真珠が出来るという仕組み。

そんな日本が世界に誇る真珠養殖の生産量は、実は全国的に年々減少している。その要因のひとつが、海洋汚染や貝の感染症だという。そんな中、真珠の養殖を行っている三重県の株式会社ミキモトでは、真珠養殖における問題について、「やっぱり赤潮というものが、一番アコヤガイにとって影響があるものだと思っています」プランクトンなどが多くなることで起こる赤潮。この現象が起こると、貝は呼吸しづらくなり、死んでしまうという。

そこで、ミキモトでは、対策として最新技術を導入。それが、貝リンガル。通常、貝は内部の水分を循環させるために、1時間に1~2回ほど口の開閉をする。しかし、海の中で赤潮などの異常が起きると、汚れた海水を吐きだすため、開閉が1時間に20回ほどに増える。貝リンガルは、貝にセンサーを取り付け、口の開閉を波形で読み取ることが可能。そのため、海の異常をリアルタイムで探知できるのだ。この最新技術は、平成16年に九州大学、東京測器研究所との共同開発で実用化。実際に、効果は出ていて、株式会社ミキモトの多徳養殖場長の山村淳也さんによると、「(赤潮などの異常が)わからなかったらミスしてしまうようなミスが減ったと思います」と話す。異常を探知したら、安全な場所に移動させ、貝を守ることが出来ているという。

日本が世界に誇る海の宝石“真珠”を守っているのは、貝からのSOSを受け取れる新たな技術だった。

素材提供:日本財団「海と日本プロジェクトin三重県」
協力:三重テレビ放送株式会社

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