生態系

福井県小浜市に春を告げる魚・イサザを取り戻すために奮闘する高校生

福井県小浜市に春を告げる魚・イサザ。イサザはシロウオとも呼ばれ、春になると繁殖のため河川を遡上するハゼ科の魚。小浜市では、踊り食いが名物となっている。

しかし、そのイサザに異変が起きている。2018年3月、例年、この時期に解禁となるイサザ漁だが、地元の漁師は、「3日連続でゼロ、最悪やね」、「この何年かの内に、漁もなくなるんじゃないか」と嘆くように、近年、イサザが獲れなくなっているのだ。実際に、福井県内では、かつては600kg近く獲れたが、今ではその半分ほどに。また、環境省がまとめるレッドリストでは、イサザは絶滅の危険が増大しているとする「絶滅危惧種 Ⅱ類」にも指定されている。その原因は、森林や河川の開発による水量変化、濁水による影響、藻場などの浅海域の埋め立てによって生息数が減少しているためなど、様々だという。

そこで、イサザの危機を救おうと取り組んでいるのが、小浜市にある若狭高校。海洋科学科の教諭・小松崎善成さんは、「イサザがどこで卵を産んでいるのか、どういう生活なのかが分からなかったので、まずは産卵場所の発見というのを目標として研究してきました」と話す。実は、イサザは、正確な産卵場所が不明で、また、海でどのような生活を送っているのか、どのような場所で成魚まで成長するのかも不明な謎の多い魚だった。そのため、若狭高校では、2015年からイサザの保護などを目的とした研究を実施。その結果、産卵場所を突き止めることに成功したのだ。この発見に至るまでには、石の裏に産卵するイサザを探すため、河口から上流に向けて川の中にある石を、雪解け水の中、一つずつ確認していったのだそう。

さらに、現在は、県や県立大学と連携し、イサザが育つ沿岸の海の調査を行っている。これによって、イサザの子どもを人工的に増やした後に、どこに放流すると効果的なのかが分かるという。研究をしている生徒は、「もっと海をキレイにしていって、イサザの数が戻って欲しいと思っています」と話す。

昔のようにイサザが獲れるよう、生徒達の研究は続いていく。

素材提供:日本財団「海と日本プロジェクトinふくい」
協力:福井テレビジョン放送株式会社

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