京都府の与謝野町と宮津市にまたがる阿蘇海。ここは、日本三景のひとつ「天橋立」によって宮津湾から仕切られた内海。
そんな美しい阿蘇海を次の世代に継承していくため、与謝野町と宮津市では、2016年4月から条例を制定し取り組みを進めている。その一環が、阿蘇海を体感して見つめ直す日として定めた「阿蘇海の日」。2018年は7月14日が阿蘇海の日で、シーカヤックやSUPを利用した阿蘇海の周遊体験が行われた。与謝野町の町長・山添藤真さんは「自然と触れ合うということが、楽しいと思ってもらうことが重要だと思っています。それをひとつの契機にしながら、この自然を将来に渡って守り育んでいきたいという思いを、多くの人達と共有できると非常に有意義な日になるのではないかと思います」と、阿蘇海の日の意義を語る。参加した子どもは「楽しかったし、水も気持ちよかったので良かったです」と話し、また、参加者の中には、「阿蘇海のイメージがそんなになかったので、今回こういう体験に参加させてもらって、キレイだし良い所だなと思いました」と阿蘇海の魅力を感じられたよう。
さらに、周遊体験だけではなく、午後からは、地元の小学校の児童たちが阿蘇海での取り組みの発表を行った。児童は総合学習の時間に、身近な阿蘇海をテーマに環境について学んでいる。そして、その成果として、阿蘇海にいるエイやサケなどの生き物、水質、問題点などを発表した。発表した児童は「自分達の地域の海は、自分達でキレイにしていきたいと思いました」と語った。
この他にも、過去には、地元の住民を招いた汽船での阿蘇海周遊体験会なども実施。
こういった取り組みが実を結び、「牡蠣殻クリーン大作戦」などの動きも出てきた。これは、生き物の生態系に悪影響を与えるという増殖した牡蠣を、全国の学生達がボランティアで取り除くというもの。
地元の海のことを、まずは自分達で体験・学習して知る。それが、海全体を守ることの第一歩になるはず。
素材提供:日本財団「海と日本プロジェクトin京都」
協力:株式会社京都放送