宮崎県の日南海岸国定公園。
この公園の大島周辺には、100種類以上のサンゴが生息している。
そんな海を訪れたのは、イタリア・ミラノにあるビコッカ大学のフランチャスカ・ベンゾーニ教授。サンゴの分類を専門とする世界的権威の研究者で、今回、琉球大学の招待を受け、日本のサンゴの調査のため初来日した。大島周辺の海に潜ったベンゾーニ教授は「本当に特別。興味深いサンゴばかり」と語った。
日南海岸は、サンゴの生息地としてはかなり北に位置する。調査の結果、この周辺の海には「ハードコーラル(硬いサンゴ)」という太平洋の熱帯のサンゴと、「ソフトコーラル(柔らかいサンゴ)」というこの地域特有のサンゴが共生していることが判明した。地元のダイバー・福田道喜さんは「ここにしかいないものがいるのを僕らも知らないし、南でもない北でもないという海の世界が、ここにあるというだけでも今回勉強させてもらった」と話す。そして、ベンゾーニ教授は「この海を守るために、人々に出来る限りのことをして欲しいと思う。ここは日本の国定公園でもあるし、世界的にも類を見ない素晴らしい海だから」と語っている。
しかし、そんな貴重な大島周辺のサンゴだが、近年は、サンゴが死滅する原因不明の感染症が発生。また、サンゴを食べるオニヒトデによる被害もあって、その危機が心配されている。そのため、サンゴを守るための様々な活動や、行政や大学、地元ダイバーが連携して、子ども達を対象にしたサンゴの学習会も開催している。
世界的にも貴重な大島周辺のサンゴを次世代に引き継ぐため、様々な取り組みが続けられていく。
素材提供:日本財団「海と日本プロジェクトinみやざき」
協力:株式会社宮崎放送