福島県いわき市で夏に行われる祭りが、四倉ねぶた。
その光景を感慨深げに見つめるのが、祭りを取り仕切る四倉ねぶた「善友会」の佐藤良考さん(69)。佐藤さんは、四倉ねぶたの練り歩きを見て、「いつもの景色ですよね」と嬉しそうに語る。実は、この祭りは存続の危機となっていた。
四倉町には漁港もあり、古くから海とともに生きてきた。そんなこの地域では、海への感謝の気持ちも込めて、戦前から四倉ねぶたという催事を行っていた。しかし、2011年の津波で祭りを続けることが困難に。
そこで、尽力したのが、佐藤さん。
復活に向けて「青森ねぶた」の関係者に協力を依頼。すると、被災地・福島のためにと快く受け入れて、使い終えたねぶたを譲ってくれたのだ。 その結果、四倉ねぶたは2012年に復活した。そのため、ねぶたをつくる際には、青森ねぶたの骨組みを再利用するなどしている。
古くから海が身近にあった四倉町。
その海との繋がりを復活した四倉ねぶたが今また後世に伝えている。
素材提供:日本財団「海と日本プロジェクトinふくしま」
協力:株式会社 福島中央テレビ