琵琶湖の幸の代表が、アユ
琵琶湖での漁獲量が最も多く、全体の4~5割をも占める。さらに、琵琶湖産のアユは、全国の河川にも日本一の量を放流している。そのため、他県で流通するアユの量まで支えているのだ。
しかし、そんな琵琶湖のアユの漁獲量が減っている。これまで年間およそ1,000~1,500トンほど漁獲されていたのが、ここ数年は500トン以下に。その要因について、滋賀県水産課の主査・幡野真隆さんによると、「漁獲量が減っている原因については色々あるんですけども、アユの産卵が少なくなっている年や、また、アユの成長が悪い年があるなど、アユの資源が不安定になっているということがあります」と語る。
そこで、滋賀県では、親アユの放流を実施。その場所は、人工河川。琵琶湖の鮎は9月から10月に、琵琶湖へと流れる川の河口部で産卵をする。その後、生まれた稚魚は琵琶湖に流れて育っていく。しかし、琵琶湖に流れこむ天然河川は天井川が多く、水量が減ったり、琵琶湖の水位が低下すると川が干上がったりしてしまう。すると、鮎の産卵場所が無くなってしまうのだ。実際に、2017年は、天然の川での産卵数が、なんと平年のわずか2%あまりだったという。
そのため、その対策として、琵琶湖からくみ上げた水を流している水路のような施設である人工河川を設置。そして、鮎の産卵場を人工的につくっているのだ。
危機的な琵琶湖のアユ漁を支える人工河川への放流。これによって、滋賀県だけでなく、日本全体のアユをも支えている。
素材提供:日本財団「海と日本プロジェクトin滋賀県」
協力:びわ湖放送株式会社