海の体験機会づくり

秋篠宮ご夫妻も出席した海の日30年の記念行事|石破首相も登場した式典に海自音楽隊のコンサートや直木賞作家とのトークショーも実施

●海の日が制定されて30周年──節目を祝う「海の日記念行事2025」

7月21日に「海の日記念行事2025」が、東京国際クルーズターミナルで開催。海の日が祝日となって今年で30回目。それを記念し、総合海洋政策本部、国土交通省、日本財団による共催でこのイベントは行われました。

●秋篠宮さま・石破首相らが語った“海への想い”

開会式には、秋篠宮ご夫妻もご臨席。秋篠宮さまは「次の世代を担う人たちに豊かな海を引き継いでいく取り組みを進めていくことが大切」と語りました。また、内閣総理大臣で総合海洋政策本部長も兼ねる石破茂首相もビデオメッセージを寄せ、「ぜひともこの夏に家族や友達と一緒に安全を第一にしながら海を楽しんでもらい、海への学び・関心・おそれなどを深めて欲しいと心から思っている」と語っています。そのほかにも、国土交通省の中野洋昌大臣、日本財団の尾形武寿会長も登壇。尾形会長は「海の日の由来である7月20日は、明治天皇が灯台巡視船『明治丸』で北海道・東北を巡幸され、横浜に無事帰還された日。何卒、海の日の固定化に(国民の発意として)再考をお願いしたい」と提言しました。

●「ウミガメが消えた海岸」が舞台──伊予原新さんが語る直木賞受賞作の裏側

この日はほかにも、海上保安庁や海上自衛隊の音楽隊によるスペシャルコンサート、機関士の仕事を疑似体験できるコーナーにVR操船体験といった海や船にまつわる多彩な展示も行われ、来場者を楽しませていました。また、直木賞受賞作『藍を継ぐ海』の著者・伊予原新さんと、日本財団の海野光行常務理事によるスペシャルトークステージも実施。伊予原さんは「(作品の舞台は)昔はウミガメがたくさん来たのに今は来なくなった海岸がいいなと思った。それが日本の地方を象徴している気がして、人がいなくなったけどウミガメまで来なくなったような」と執筆に至った背景を語りました。また、作家としてデビューする前は“地球惑星科学”を専攻していたという伊予原さん。地球の7割を占める海に対する想いも特別なものがあるようで、「僕が小説で書いた希望・光のようなものは、長いスケールで見たら人間が変われば海も待っていてくれる。そういうイメージを込めて書いた」と作品に込めたメッセージも紹介。さらに、人気街歩き番組『ブラタモリ』を引き合いに出し、「地元の歴史や地形を科学的に知ると、身近な土地の新たな一面が見えて嬉しい。だから『海のブラタモリ』のようなコンテンツがあったら良いと思う」といった提案も行いました。こうした伊予原さんとのトークイベントについて海野常務理事は「科学者と作家の目線という両方の切り口で話ができるというのがすごい。日常と科学を結びつけることによって、いろんな問題が自分事化される。そういうテクニックを伊予原さんから学んだ。また、海のブラタモリという話もあったが、具現化するために伊予原さんとコラボレーションできたらいいと思う」と語り、今後の展開にも意欲を示しました。

「海の月間」といわれている7月には、各地で海にまつわるさまざまなイベントが開催されています。この機会に足を運んでみてはいかがでしょうか。

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