●スポーツ×教育で社会課題に挑む|リバプールFC財団と日本財団がタッグ
サッカー・プレミアムリーグの名門、リバプールFCの財団と日本財団がパートナーシップを締結し、スポーツを活用した教育プログラムを共同で開発・実施していくことを、2025年7月29日に発表しました。
日本代表キャプテンの遠藤航選手も所属しているリバプールFCが設立した「リバプールFC財団」と「日本財団」とは子どもたちへの支援など共通点も多く、両財団が連携することで、それぞれの強みやノウハウを活かしていきたいとしています。この日、協定式に登壇したリバプールFC財団のマット・パリッシュCEOは「サッカーを入り口にして、リバプールFCのブランドも活用しながら、子どもたちが大人になった時に役立つようなさまざまな経験を提供できるプログラムになる」と説明。そして、日本財団の笹川順平理事長は「子どもたちが抱えてしまっている社会の課題に対して、リバプールと日本財団が組んで日本の子どもたちに機会を提供していく」と述べました。
●横浜F・マリノスとの慈善試合に困難を抱える子どもたちやウクライナ避難民など3000人を無料招待
その取り組みのひとつが、子どもたちを招待する慈善試合の実施です。7月30日には、パートナーシップ協定の一環として、リバプールFCと横浜F・マリノスが対戦する「明治安田Jリーグワールドチャレンジ2025 presented by 日本財団」が開催されます。この試合には、児童養護施設や日本財団が展開している「子ども第三の居場所」の利用者など、さまざまな困難を抱える子どもたちに加え、いま日本で暮らすことを余儀なくされているウクライナ避難民など3000人が無料で招待されます。また、日本の子どもたち1万人を対象に、サッカーを通じた「リーダーシップ教育」を共同で開発し、イギリス・リバプールへの渡航プログラムなども用意していきたいとしています。笹川理事長は「全国の子どもたちにサッカーを通して、褒められて自信を持ったり、リバプールのユニフォームを着てちょっと誇りに思えたり、自分を認めていくという行動を促していきたい」と語りました。
●子ども交流から海洋ごみ対策まで|日英の財団による国際連携プロジェクト
日本財団では、今回のパートナーシップに先立ち、今年5月にJリーグとも連携協定を締結。気候変動などサステナビリティ領域を意識したプロジェクトを発足させました。また、NPO法人 海さくらと連携してプロクラブを巻き込み、スポーツと清掃活動から海の環境問題に取り組む「LEADS TO THE OCEAN」なども展開しています。こうした中、今回の連携では、海の未来も見据え、港町・リバプールならではの活動も視野に入れているとのことです。笹川理事長は「リバプールは、海で世界はつながっているということを感じられる町でもある。それは日本でも同じです。日本の子どもたちをリバプールに、リバプールの子どもたちを日本に招くような交流も含め、海に囲まれているがゆえの問題や海洋ごみといった環境問題への取り組みも、リバプールと日本財団で一緒になって考えていきたい」と展望を述べています。