長野県安曇野市の穂高神社で、毎年9月に開催される御船祭り。このお祭りは、今年の実りに感謝するために行われるという。
そんな御船祭りの見どころが、御船のぶつけ合い。
神様に「御船」と呼ばれる美しく大きな船の形をした山車を、感謝の印として披露。さらに、「大人船」というとりわけ大きな2艘の御船を激しくぶつけ合うのだ。
しかし、長野県には海がない。
にも関わらず、なぜ船の祭りが伝えられているのか?実はこの地区の人は、海の民の末裔とも言われているため。穂高神社がまつっているのが、穂高見命という海の神様。この神様は、この地に移り住んできた海の民「安曇族」に深く信仰されてきた。もともと安曇族は北九州や朝鮮半島が本拠地とし、海運を行っていたという。そして、諸説あり、理由は定かではないが、およそ1500年前、この地に移住してきたと言われている。そんな歴史から船の祭りが行われているのだ。この海の記憶を伝えるお祭りについて、穂高神社の権禰宜である等々力良勝さんも「長野県も海と繋がってるんだなと思います」と思いを馳せる。
長野県の知られざる海との繋がり。
お祭りを通して今に伝えている。
素材提供:日本財団「海と日本プロジェクトin長野」
協力:株式会社長野放送