刺し身や寿司ネタとして人気のマグロ。
しかし、近年、クロマグロが激減。
特に、親のクロマグロの減少が大きな問題となっている。その原因は、私たち人間。まだ卵を産む前の段階の若いクロマグロを多く獲ってしまっているという。
そこで、対策として漁獲制限をしているが、この対策は、漁業関係者に別の悩みをもたらしている。その悩みとは、他の魚も獲れなくなってしまうこと。
岩手県では、代表的な漁法として定置網漁が行われている。この定置網漁は、複数の魚がまとまって入るのが特徴であり利点だが、魚種を選別して獲ることが難しい。そのため、クロマグロを漁獲しないように漁をやめると、他の魚も獲れない状態になってしまうという。
そこで、そんな問題を解決するために開発されたのが、新しい定置網。この定置網には、サバなどの小さい魚は通れるが、マグロは通れない細かい目の網が設置されている。その網で内部を仕切ることで、獲りたい魚とマグロを分離する。このように、大きさ、他にも泳ぐルートによって魚を仕分けることが出来るのだ。岩手大学農学部食料生産環境学科 水産システム学コースの後藤友明准教授によると、「マグロだけを逃がして、他の魚だけはきっちり漁獲してしまう。そういう技術開発をしようということで、2017年からスタートしました」と話す。現在、検証中だが、一定の効果は期待できると言われている。
マグロと共生していくため、日々、工夫と努力が続けられている。
素材提供:日本財団「海と日本プロジェクトin岩手」
協力:株式会社 IBC岩手放送