イカ類の漁獲量の中で、およそ8割を占めるのが、スルメイカ。
しかし、今、スルメイカが獲れないという問題が起こっている。
20年ほど前は約45万トンもあった漁獲量が、現在はおよそ5万トンにまで落ち込んでいるのだ。
その原因の1つに、地球温暖化の影響があるという。
スルメイカは、水温が15℃から20℃の場所を好む。そのため、温暖化で沿岸域の水温が高くなると、適した水温を求め、沖合に行ってしまう。すると、労力やコストがかかり、獲りにくくなってしまう。
その結果、深刻な状態になっている地域もあるという。
国立研究開発法人 水産研究・教育機構 東北区水産研究所の木所英昭博士によると、「夏場の漁獲量が90%減少などですね、大きな影響が出ているところもあります」と話す。
また、イカ類の漁獲量が日本一の八戸でも、休業する加工業者が出るなど、不漁の影響は広がっている。そのため、青森県では、スルメイカの代用となるアカイカの漁獲効率化を積極的に進め、加工原料の確保に取り組んでいる。
日本人になじみの深いスルメイカが、海洋環境の変化によって大きな影響を受けている。
素材提供:日本財団「海と日本プロジェクトin青森県」
協力:株式会社 青森テレビ