テクノロジー

福岡の海を守る新たな仲間はロボット

福岡県宗像市のさつき松原海岸をはじめとする、福岡県の海岸の多くがゴミであれている。

これは漂着ゴミと呼ばれるもの。その多くは、私達が街や川で捨てたものだが、意外なところからもやってくるという。九州大学大学院 生態工学研究室の准教授・清野 聡子さんによると、「福岡って大都市があったり、大きな川があったり、自分たちのものも出るんですけど、最近 増えてきているのは、海外で出たものが来るんです」と話す。

実際に、ペットボトルを100本拾い、製造国を調査してみると、大半は日本のモノだが、中国や韓国、ベトナムに、遠くはロシアのものまで流れついている。その結果、海岸に多くのゴミがある状態に。

そこで、ボランティアで海岸清掃が行われているが、悩みがあるという。それが、大きなゴミや集めたゴミを集積場に運ぶこと。

そんな悩みを解決するため導入されたのが、なんとロボット!拾ったゴミを人間の代わりに運んでくれるのだ。このロボットは、砂に足をとられないような設計で、時速3kmから4kmほどで走行。さらに、自立型で人についていく、また、障害物で止まるなど、安心安全まで兼ね備えている。

このロボットを導入する試みは、「ビーチクリーン・ロボットプロジェクト」というもの。海ゴミ研究を行う九州大学大学院 工学研究院 環境社会部門がプロジェクトリーダーとなり、九州大学大学院 情報工学研究院 機械情報工学研究系、九州工業大学 社会ロボット具現化センターがロボットづくりに取り組み、市民団体 宗像の環境を考える会と連携を取り、2017年から活動している。

活動の結果、このロボットの効果は絶大だった。
「大きなゴミとかですね、砂に埋もれたゴミを運ぶのは大変なんですけども、それをロボットが代わりにやってくれるということで、だいぶ助かっているようです」と、宗像の環境を考える会の代表・吉柳隆行さんは話す。

その上、思わぬ嬉しい効果もあったという。「環境活動だけっていうよりもロボットと言った時に、日本の科学技術の色んな層が海に注目してくれるようになったというのは意外なイイ驚きでした」と清野さんは話す。

人とロボットが協力することで、ゴミ無しの海が実現できるかもしれない。

素材提供:日本財団「海と日本プロジェクトinふくおか
協力:RKB毎日放送株式会社

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