海草アマモが生息する場所、アマモ場。
実は、このアマモ場は、海にとって大切な役割があるという。NPO法人たてやま・海辺の鑑定団の竹内聖一さんによると、「アマモがあると、小さな魚が隠れたりとか、アマモ自体に色んな他の微生物がついたりしてエサになる。そして、エサになることで、そこにまた違う生き物が集まったりして、持続的な生態の維持に繋がっていく。(アマモ場は)そういう場所の1つ」と話す。
しかし、そんな海の生態系にとって重要なアマモ場がある館山市の沖ノ島では、近年、その数が減少している。
その原因は、台風や食害。
台風によって、アマモが生息する砂が移動・流出、また、他の生物により食べられてしまった。その結果、かつては6500㎡ほどあったアマモ場が、現在では、ほぼ無い状態に。
そこで、沖ノ島のアマモ場を再生させようと2017年から取り組みを開始。
地元のダイビングショップによる定点観測や、館山小学校でのアマモ学習会などが行われている。その他にも、漁業関係者や大学の研究機関など、様々な人達が取り組みに参加し、力を合わせている。
そんな取り組みの1つが、アマモから種を取り出し、大きく育てて再び海に植える作戦。2017年6月には、千葉県・館山の海で児童たちが、海草のアマモとその種を採集。そして、9月には、大学の研究センターで保管・熟成されていた種を児童も大人も一緒になって協力し選別した。選別作業に参加した児童たちは、「もっと自然が増えて欲しいと思います」、「アマモ場が増えて新種もできたらいいな」と、沖ノ島のアマモ場が復活することを願っている。今後は種から苗床を作り育ててから、来年の春に沖ノ島周辺の海に移植する予定だそう。また、NPO法人たてやま・海辺の鑑定団の竹内さんは、「これから来年 実際に植えてどうなっていくかっていうのが、分からないことだらけなので、ずっと繰り返し繰り返しやっていって、昔の沖ノ島が復活してきたらいいなと思っています」と、意気込みを語っている。
身近な海を豊かに。
沖ノ島のアマモ場を復活させるため、街全体で力を合わせている。
素材提供:日本財団「海と日本プロジェクトin千葉県」
協力:千葉テレビ放送株式会社