能登空港に隣接する日本航空学園・輪島校。
高校と専門課程を学ぶ大学校、合わせて1200人余りが在籍。その多くが、航空業界での活躍を目指している。そんな空のプロを育成する学校には、なんと潜水部がある。
そんな潜水部は週に2回、七尾湾で実習を行ったりと、本格的なダイビングを行う部活で、出来たのは、2017年1月。この学校で理事長補佐を務める鎌村 実さんが、顧問として潜水部を起ち上げた仕掛け人。「サラリーマンをしながら、趣味としてダイビングを継続していく中で、インストラクター資格を取りました。それがいつのまにやら仕事になりました」と鎌村さんは語る。ダイビング歴およそ40年の鎌村さんは、能登島でダイビングの指導やレンタル用品を扱う会社を経営。また、この会社でインストラクターを務める須原水紀さんも航空学園の教師。ダイビングが出来る環境と指導者が揃っていたため、県内唯一の潜水部が誕生したのだ。
その部員の中には、「自分の人生を決めたような部活ですね。潜水士になれるよう、頑張ってやろうと思ってます」と語る生徒もいる。この男子部員は、永嶋春樹さん。もともとパイロットになろうと思い、この学校に来たが、潜水部に入って夢が潜水士へと変わった。
そんな永嶋さんが目指す潜水士は、海難事故の救助など、水中であらゆる業務を担う。しかし、その担い手が不足しているという。鎌村さんによると、「特に潜水だとか、救難救助だとか、そういったものを勉強する専門学校は、日本国内に今ありません」とのこと。さらに、「そこで、救助要員を育成する学科があればいいねというところから『海洋コース』の話が出てきました」と話す。そこで、潜水のノウハウを持つ航空学園は、2018年度、大学校に『海洋コース』を新設することを決めた。これについて日本航空学校の浅川正人校長は「高校時代に部活動で潜水をし、そして、大学校で海洋コースに来て、潜水士の資格を取って、色んなことを順序立てて学んでいけば、オールマイティに活躍できるのではと考えています」と話す。
空の学校から海で命を救うプロが飛び立とうとしている。
素材提供:日本財団「海と日本プロジェクトinいしかわ」
協力:石川テレビ放送株式会社