海の体験機会づくり

海の中を覗いてみたら…ウニ・カニ・ナベカを発見!──神奈川・観音崎で小中学生が海での体験学習に参加

●地元の小学生が集う“キッズ海チーム”!神奈川県・観音崎自然博物館での海体験

海での体験を提供している博物館。前編では、千葉県立中央博物館分館「海の博物館」で行われた「磯・いそ探検隊」を取り上げました。

一方、神奈川県横須賀市にある「観音崎自然博物館」では、地元の小学生たちを中心に結成された「キッズ海チーム」が、月に一度ほど、海に関するさまざまな活動を行っています。

●シュノーケルで水中観察!子どもたちがウニ・カニ・ナベカなど海の生き物に大興奮

この日は、埼玉県の中学生も参加し、浅瀬での水中観察会を実施。活動に慣れた子どもはシュノーケルを使って静かに水面に浮かびながら魚を観察したり、また他の子どもは「フグの子どもだ!」と大興奮して生き物を捕まえたりと、思い思いに海を楽しんでいました。子どもたちからは、「今日はみんなで深いところを潜った」、「はじめてナベカがとれたので嬉しかった」といった声が上がり、中学生からも「普段埼玉にいるので海にあまり行かない。たくさんの生き物を見られて貴重な体験になった」と充実した体験を振り返っていました。

●観音崎自然博物館・河野館長が語る海の変化と子どもたちへの願い

そんな子どもたちを見守っていたのが、観音崎自然博物館の河野えり子館長です。25年以上にわたり観音崎の海を見つめてきた河野館長は、海と生き物の変化を感じていて、「(海が)年々あたたかくなっているとすごく感じる。以前は普通に見られたバフンウニや海藻が夏場にすごく少なくなり、生き物の種類も変わってきたと思う」と話しています。こうした変化を体感できるのも、フィールドワークならでは。しかし近年は「海離れ」が進み、地元の子どもたちですら海を知らない子が増えてきたといいます。「海の近くに住んでいても、砂浜で遊ぶだけで海の中を知らない子どもが多い。本当は地元の大切で身近な自然なので、もっと接して欲しい」。そんな想いを持つ河野さんは「キッズ海チーム」などでの体験を通じて、海を知り、海への想いを育みながら、将来へつなげて欲しいと願っています。「こういう野外体験を通じて、環境を守る活動や研究者になるといった気持ちを持つ子どもが増えたらいいなと思う」

体験を通して海を知る。その積み重ねが、未来の海を守る力となっていくでしょう。

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