海の体験機会づくり

徳島・鳴門海峡で起こる魚種変化や食害魚、海ごみ問題に挑む!行政・地元漁師・学生など県内全体で力を合わせる「とくしまUMIGOTOプロジェクト」始動!

●地元の海の課題を“自分ごと”に!徳島で始動した新プロジェクトとは?

「とくしまUMIGOTOプロジェクト」のキックオフイベントが、2025年9月27日に徳島県のボートレース鳴門で開催されました。このプロジェクトは、海の課題を“自分ごと”として学び、考え、行動していくもので、日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として行われています。

●温暖化で住む魚も変化し、名産の鳴門わかめ養殖に被害も!徳島県知事や地元漁師が語る“海の今”

この日は、参加者のほか、連携する行政・企業・団体、大学生メンターなどが一堂に会しました。徳島県の後藤田正純知事は「漁業は最近“海業”と言われているように、資源管理やごみの問題、山を守ることによってその栄養が海に伝わる、そういったことも子どもたちには考えて欲しいし、いろんなことが学べる機会だと思う」と語りました。プロジェクトでは、集まった関係者も含め、徳島県内で一丸となって連携し、食害魚の利活用や海洋ごみ問題などを探究していきます。参加するのは、小学生を中心とした約60人。今回のキックオフでは地元の漁師から、鳴門海峡で起こっている魚種の変化や名産の鳴門わかめ養殖の課題について学びました。鳴門海峡一本釣り漁師の西上大貴さんは「鳴門海峡は今とても大変な状況になっている。ブリは僕が(漁師を)始めた時には1匹もいなかった。これが温暖化による影響で、棲む魚が変わってしまっている。さらに、水温の上昇から海中の酸素濃度が薄くなっていて、ブリを釣っても酸欠で死んでしまう。そうすると一本釣り漁師は市場に卸せない。漁師は売れないし、魚たちは食べてもらえないので、めちゃくちゃもったいない。また、温暖化によってわかめ養殖も被害を受けていて、クロダイなどにわかめが食べられている。魚による食害」と説明。さらにイベントでは、実際にクロダイを利活用したフライも実食しました。また、水難事故を防ぐ知識と技術を身につける安全教室も行われました。

●「海は危険」から「海を知る」へ──TSURIBITOが語る、海離れの時代に伝えたい想い

プロジェクトを主催する一般社団法人 TSURIBITOの高橋真冬代表理事は、「事故や海の知識などを知らないまま『海は危険なものだ』と今の時代、すごく思われている。このプロジェクトを通して、海に関わるキッカケをつくってもらい、海に対してもっと関心を持ってもらえたら」とその想いを話しています。

とくしまUMIGOTOプロジェクトは、2026年2月に予定されている成果発表フォーラムに向けて、さまざまな活動を行っていく予定です。

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