生態系

日本一や日本初だらけ!クラゲ・サンゴ・ウミガメで日本が誇るスゴイ水族館~水族館のお仕事@山形・和歌山~

水族館は日本全国に100カ所以上もあり、国土面積あたりの数にすると世界一とも言われています。各地の水族館では展示以外にも重要なお仕事が。それが飼育・研究です。

和歌山県にある串本海中公園。
この公園は、1970年に日本で最初の海中公園として指定された歴史あるスポットで、海中展望塔や水族館などがあり、実は日本一や日本初がいくつもあります。そのひとつが、水族館で飼育されている「サンゴ」。開館した50年以上前から飼育されている「ウミバラ」は、日本の水族館にあるものとしては、日本一の長寿サンゴとなります。そして、もうひとつが、アカウミガメの人工繁殖です。日本の水族館で最初に手掛けたそうで、卵を孵化させて海に放流しています。今後について、串本海中公園の森美枝館長は「野生のウミガメは数が減っている。研究もまだまだ進んでいないので、これからも繁殖の研究を続けて、ウミガメの生態の解明や資源回復の研究に取り組んでいきたい」と意欲的です。

さらに、日本一を持つ水族館は山形県にもあります。それが、通称「クラゲ水族館」と呼ばれている「鶴岡市立加茂水族館」です。この水族館では、クラゲを約80種類も展示。その種類数は日本一どころか世界最大規模となっていて、2012年にはギネス世界記録にも認定されたほどです。そのクラゲのほとんどが加茂水族館で生まれたもので、繁殖を積極的に実施。中でも、いま力を入れているのが、泳ぐ時に虹色に輝く「ウリクラゲ」です。飼育課の池田周平さんは「ほかの水族館や研究者の間でも繁殖が難しいとされ、ほかの水族館では行われていないので力を入れている」とその貴重性を語っています。世界でも難しいとされるウリクラゲの繁殖。その理由はエサだそうで、「カブトクラゲの仲間しか食べない。そのためウリクラゲの繁殖を行うには、カブトクラゲの繁殖を大量にしないといけないので、そこが難しい」と池田さんは言います。実はカブトクラゲの繁殖も難しいそうですが、研究の結果、安定した繁殖方法を確立しました。池田さんは繁殖への取り組みについて「水族館は、野生個体をとってくるだけではなくて、色んな個体を繁殖して展示することに意味があると考えている。ウリクラゲ、カブトクラゲの繁殖が難しいからと諦めるのではなく、チャレンジして繁殖に力を入れている」とその意義を語っています。

素材提供:日本財団「海と日本プロジェクトin和歌山県」 「海と日本プロジェクトin山形」
協力:テレビ和歌山 テレビユー山形

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