神奈川県の逗子海岸で「逗子海岸映画祭」が、4月28日からゴールデンウィーク中の1週間ほど開催されました。このイベントは、2010年から始まった映画祭で、海辺にスクリーンを設置し、国内外の映画を上映するというもの。夜の上映のほかに、日中からフードコートやワークショップなど、さまざまなブースも並び、楽しむことができます。
さらに、この映画祭では環境対策も実施。そのひとつが「ボトムアップクリーンプロジェクト」です。このプロジェクトは、日本財団が推進する「海と日本プロジェクト・CHANGE FOR THE BLUE」の活動の一環として行われている海洋ごみ対策です。毎朝のビーチクリーンを始め、フードブースでも返却すると100円が戻ってくるリユースカップを使用するなど、さまざまな活動を行いました。逗子海岸映画祭の実行委員長・長島源さんは「この海という環境が気持ちいいということをまずは感じてもらいたい。それを守っていくとなった時に、実はその背景には地道な地域の人たちのビーチクリーンの活動があったりだとか、海洋プラスチックの問題のことであったりとかを体感できる場をここに設けたいと考えた」と、プロジェクトの目的について語っています。環境対策としては他にも、色々な取り組みを紹介する「GREEN STATION」というブースも設置。5月1日には、三崎まぐろを取り扱うまぐろ問屋が、環境をテーマにしたワークショップを開催。講師を務めた三崎恵水産・代表取締役社長でおさかなマイスターの石橋匡光さんは「気候の変動をしっかりと見ないと魚が獲れなくなってしまう。結果的に我々がマグロを販売できなくなり、50年後には皆さんがおいしいマグロを食べられなくなる可能性がある」と話し、まぐろ漁と環境にまつわるさまざまな取り組みを紹介しました。そして、夕闇があたりを包む頃、スクリーンに明かりが灯り、来場者は映画を楽しみました。上映から環境対策まで行う映画祭の今後について、長島さんは「ゆくゆくの夢物語としては、海遊びができたり、海のワークショップができたりする常設の場を、地域の色んな活動をしている団体と連携してつくれたら」と展望を語っています。