調査

コロナ前と比較!海に関する意識を1万人に調査~日本財団による「海と日本人に関する意識調査」~

日本財団は、海の日を前に「海と日本人に関する意識調査」の結果発表を、2022年7月15日に行いました。この調査は、日本人の海への意識や感情、認識がどのように変化しているのか、さらに社会の動向や情勢によってどのように変わっていくのかを定点観測し、今後のプロジェクトの立案や政策提言などに役立てることを目的に、2017年から2年に1度実施されています。本来であれば昨年実施される予定でしたが、社会情勢として新型コロナウイルス感染拡大前との違いが傾向としてつかめるように、今年実施したと言います。

今回、15歳〜69歳の男女1万1600人に調査した中で、最も気になったデータが「海への親しみ、海を好きかどうかが軒並みマイナスになっていて、海への訪問日数と比例して下がっていたこと」と、日本財団の海野光行常務理事は話しています。「海が好き」と答えた人は、2022年は52%で、前回調査時の2019年と比べると5ポイント減少。また、「海に親しみを感じる」と回答した人は、2019年から7ポイントの減少となりました。その理由として考えられるのが、海への訪問日数だと言います。「この1年間、1度も海に行っていない」と答えた人が45%と、2019年と比べると12ポイントも増えています。海に行かなくなった要因については「コロナ前と比較して、屋外での活動が減った」と43%の人が回答していて、新型コロナウイルスが海への訪問頻度を減少させた一因になっているのではないかとのことです。また、「この1年で海へ行っていない人」と「行った人」を比較すると、行っていない人は「海を大切に思う気持ち」が低く、20ポイントほども差があるという結果に。そのため、今回の調査から「海への訪問頻度」と「海への愛着」や「海への関心」には相関関係があると判明したと言います。

また、他にも気になるデータがあったそうで、「地球環境問題の高まりとともに、海の環境問題に対しての関心が高まってきている」と海野常務理事は言います。実際に、2019年と比べると、海洋問題への認知度が10ポイントほど上昇。さらに、この1年で海に行った人の方が、行っていない人に比べて海を守る行動を意識して行っていると判明しました。海と日本プロジェクトなどを推進している日本財団の今後の取り組みについて、海野常務理事は「海に行った人は、海に対する問題を自分ごと化できるという結果が出ている。そこで、まずは子どもも大人も海に行ってもらいたい。ただ、コロナ禍でもあるので、海に実際に行かなくても、海を感じられるような場づくりやプロジェクトを構築していきたい」と語っています。笹川陽平会長は「日本は世界で唯一“海の日”を祭日にしている。海洋立国日本として、国民すべてが海に深い関心を持つようにしていきたい」と抱負を話しています。

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