都内で「海のごちそうフェスティバル」が、2021年10月15日と16日に開催されました。このイベントは、日本財団が推進する海と日本プロジェクトの一環で、日本財団の常務理事・海野光行さんは「海と日本プロジェクトのテーマの中には、『海を味わう』というものがある。海のごちそうフェスティバルは、食のことを通じて海のことを深く知ってもらおうという企画」とコンセプトについて話しています。会場では、日本全国の海にまつわる特産物の販売やステージイベントなどが行われました。
オープニングステージイベントでは、「海と食」に関する意識調査の結果を発表。この調査は、日本人が「食を入り口とした海」に対して、どのような意識や行動をしているかを明らかにすることを目的に実施されました。その結果、魚の選び方など「食」に直接関係することに関心が高い一方で、食文化や漁師といった「海と食の背景」には関心が低いことなどが判明。海野常務は「この調査を通じて、『おいしい、以上に知ってほしい海』への興味関心を高めることが必要だとわかった」とまとめました。
また、服部栄養専門学校の校長・服部幸應さんと岸壁幼魚採集家で「令和のお魚王子」こと鈴木香里武さんが登壇し、食から海の課題を考えるトークセッションも実施。服部先生は「鯛で一番おいしいのは秋から冬にかけて。その時が卵を産むために一生懸命おいしいものを食べるから」と魚の旬や魚食の歴史などについて話しました。そして、鈴木さんは魚を知ることの大切さを指摘し、「小学生に魚の絵を描いてもらうと、切り身を描く子どもがいて、切り身が海を泳いでいると、本当に信じている子どもが年々増えている。周りの大人が、生き物としての魚と触れ合わせる機会をつくり、食とセットにしてあげるのが大切だと思う」と海の課題解決のための提案をしました。
今後、海と日本プロジェクトでは、「おいしい」を入り口に、海と日本人をつなげていきたいと言います。海野常務は「魚をちゃんと食べて欲しい。そして、食べる時にはその背景も、ある程度把握した上で食べて欲しい」との想いを語っています。