「灯台記念日」の2021年11月1日、灯台を題材にした新たなエンタメ「燈の守り人(あかりのもりびと)」プロジェクトでのイベントが行われました。燈の守り人は、実在の灯台を擬人化するプロジェクトで、日本財団が推進する「海と日本プロジェクト」の一環です。
日本には3000を超える灯台がありますが、GPSの発達・普及により、道標としての役割を終えつつあります。一方で、日本の近代化を象徴する貴重な文化遺産という側面もあり、観光スポットになっています。しかし、日本財団の常務理事・海野光行さんは「観光スポットとして灯台を捉えた場合、異分野とのコラボレーションが少し足りない。特に漫画やアニメなどのエンターテインメントとのコラボが足りない」という課題があると言います。
そこで、全国88 の灯台をイケメンキャラクター化する「燈の守り人」プロジェクトが2020年から開始されました。そして、灯台記念日のこの日は、置鮎龍太郎さんなどの有名声優によるライブ朗読劇の「声劇」と「トークイベント」を実施。声劇に先立ち行われたトークイベントでは、灯台の有識者として登壇した海野さんが先生となり、灯台のことを出演声優にレクチャーしました。その後、灯台建設に命を捧げた男たちの物語「燈の守り人 声劇 明治開国編」がスタジオからライブ配信されました。
プロジェクトの今後について、燈の守り人製作委員会の総合プロデューサー・波房克典さんは「『幻想夜話(げんそうやわ)』というコンテンツを11月15日から隔週で配信する予定。これは、それぞれの灯台が100年余りで見てきたであろう景色や記憶を、オリジナル脚本に仕立てて、88人の有名声優が灯台を演じる音声コンテンツ」と話しています。また、縦読みフルカラーでの漫画も2022年の始め頃から連載されると言います。「燈の守り人」プロジェクトについて海野さんは「灯台は一般の方々から見ると、存在は知っていても身近な存在ではないと思う。そこで、道標の役割を声優に果たしてもらい、灯台の新しい魅力をエンタメとのコラボレーションから若い人たちに伝えたい」と意気込みを語っています。