無人運航船を通じて未来の地球と海を考える特別授業が、千葉市立海浜打瀬小学校の5 年生を対象に行われました。この授業は、日本財団が支援し、無人運航船の実用化を目指している「MEGURI2040プロジェクト」の一環として実施されたものです。
無人運航船とは、船内のほぼ全ての作業をAIなどが担当し、無人で運航する船のこと。実現すると、人手不足などの問題の解決策となり、国内で年間1兆円ほどの経済効果が期待できると言います。現在、2025年の実用化、2040 年には国内で運航する船の半分を無人運航船にすることを目指し、開発や取組みを進めています。
その取組みのひとつが特別授業です。
日本財団 海洋事業部 海洋船舶チーム チームリーダーの桔梗哲也さんは、特別授業の目的について「実用化を考えた時に、無人運航という聞いたこともないような技術を使ってくれるかというと、安全性などで不安もあると思う。そこで、小学生を対象に知ってもらうことで親しみを持ってもらいたい」と話しています。授業では、MEGURI2040プロジェクトが支援するコンソーシアム(複数の民間企業体)のひとつ「DFFAS」チームの陸上支援センターにて、実際に無人運航をコントロールするシステムを見学。参加した児童は、開発中のシミュレーターで操縦体験をしたり、無人運航に使う設備を見学しました。また、DFFASチームに参加している「ウェザーニューズ」の会社見学も実施。ウェザーニューズは気象情報会社で、一般的な天気予報だけでなく、スポーツに関する気象、船に関わる航海気象や運航実績データまで、様々な情報を提供しています。会社見学では、オフィスを巡りながら、「世界の交通運輸」や「生活と気象情報の関わり」をクイズ形式でレクチャーしました。特別授業を終えた児童は「思ったより機械やコンピューターがあってスゴイ驚いた」、「無人運航船が実用化されたら、ちょっと怖い気持ちもあるが乗ってみたい」と話しているように、楽しんで学べたようです。
無人運航船の今後について桔梗さんは「あと半年ほどで実証実験が始まるが、子ども達にもMEGURI2040プロジェクトや無人運航船を面白い、すごいと思ってもらえる取組みをやっていきたい」と語っています。