山形県の海水浴場「マリンパークねずがせき」では、以前から障がいを持つ人と持たない人が一緒に楽しめる海づくりを行ってきました。そのひとつが、「バリアフリービーチ大作戦」です。2017年から行われているこのイベントは、海水浴を諦めていた子ども達に、マリンアクティビティを体験してもらいながら1日だけの海を楽しんでもらうというもの。参加者の家族が「小学校3年生までは海に連れて来ていたが、成長した後はなかなか連れて来られなかった。イベントに参加してみたら、娘がとてもニコニコしていて嬉しそうだった」と語るほど大盛況となっています。
障がいを持つ人が海を楽しむ際に問題となるのが、車椅子の移動を妨げる「段差」です。そこで、2019年の「バリアフリービーチ大作戦」では、板などを敷いて対応していました。そして、2020年は、バリアのない海の実現を求める声が大きかったことから、海と日本プロジェクトの一環で、常設のスロープがつくられたのです。このスロープは、地球温暖化防止のために、自動車のガラスやバンパーなどの廃材を活用したものにもなっています。一般社団法人 山形バリアフリー観光ツアーセンターの代表理事・加藤健一さんは「今までは、海に入りたいと思っても、遠くから見守るしかなかった。常設スロープによって、みんなが一緒に楽しめる最高の環境になったと思う」と話しています。また、「バリアフリービーチ大作戦2020」を担当した粕谷修次さんは「障がい者だけではなく、ベビーカーなどを使う若いお母さん達も気軽に浜辺に来られる。スロープがあることで、健常者と障がい者が一緒になって海に親しむことができる。今後こういった形がドンドン増えていくと思う」と語っています。
素材提供:日本財団「海と日本プロジェクトin山形」
協力:株式会社テレビユー山形