日本財団と環境省が共同実施している「海ごみゼロアワード」の表彰式が、2021年10月6日に行われた。海ごみゼロアワードは、海洋ごみ対策において国内の優れた取り組みを発掘し、広く発信することが目的となっている。3度目の開催となった今年度は276件の応募があり、優秀な取組みが数多くあったという。審査員のひとりである東京大学 大気海洋研究所の津田敦教授は「地球環境問題を扱った真鍋博士がノーベル賞を受賞したが、今回の受賞者、または応募者の中から10年後20年後30年後のノーベル賞受賞者が出ると確信している」と話した。
栄えある最優秀賞に選ばれたのは、「Blue Earth Project」。このプロジェクトは、全国各地の女子高生・女子大生による活動で、自分たちで企画・運営まで行うイベントで海洋ごみ問題を分かりやすく伝えたり、飲食店に自らプレゼンしに行き、オリジナルキャンペーンを行ったりしている。代表の今津紅杏さんは「女子高生や女子大生のような身近な相手から社会問題を伝えると、気軽に受けとってもらえると思っている。今後も環境問題を発信していきたい」と抱負を語った。また、プロジェクトの発端である松蔭高校でBlue Earth Projectを担当している谷口理教諭は「今後のターゲットは2025年の大阪万博。ここで全国の女子高生・女子大生がタッグを組んで、世界に向かって発信できるようにしたい」と話す。
最優秀賞の他にも、環境大臣賞や日本財団賞、AEPW賞など、計14の取組みが表彰され、活動奨励金が授与された。日本財団の常務理事・海野光行氏は「今回目立ったのは若者たちのアクション。若者が海の問題に知見を広げてくれているのはとても有難い。来年以降も海ごみゼロアワードを継続し、さらに、受賞者同士のコラボレーションといった横展開ができるような場も加えていきたい」と今後の展望を語った。