今、新たな海の生物の脅威と呼ばれるゴミが報告されている。
富山県富山市の岩瀬浜海水浴場で、NPEC環日本海環境協力センターの中山純一さんが行う調査に同行してみると、一見、ゴミの無さそうな場所で砂を掘り、ふるいにかけた。すると、小さな色のついた破片が見つかった。マイクロプラスチックというもので、これが新たな海の脅威と呼ばれている。
マイクロプラスチックは、直径5mm以下のごく小さなゴミ。元はペットボトルやプラスチック系の容器で、紫外線や波でもろくなり、細かく粉砕されたもの。これが、海の脅威と呼ばれる理由は、「マイクロプラスチックの表面に付着する化学物質が、食物連鎖を通じて上位へいくほど濃縮していく」と中山さんは話す。マイクロプラスチックは表面にPCBなどの有害物質が付着しやすく、魚など海の生き物が誤って食べることが心配されている。そして、有害物質は魚などを食べる人間にも、蓄積する恐れがあると言われているのだ。中山さんは「目に見えなくなるかもしれませんけれども、物質としてはずっと残り続けるものです」と、その脅威を語る。マイクロプラスチックの量は、世界的にプラスチック消費量が増えていることに合わせて増加傾向にあり、浜を歩いていても目に付きにくいため、完全に無くすことは難しいと言われている。
そんなマイクロプラスチックは、国際的にもその影響が懸念され、海の生態系にとっての脅威と言われている。2016年5月、富山市で開かれたG7富山環境大臣会合でも取り上げられた。
プラスチック系のゴミを自然界に放置せず、新たな脅威をつくり出さないこと。それは人間にしかできない。
素材提供:日本財団「海と日本プロジェクトin富山県」
協力:富山テレビ放送株式会社