海なし県・長野で、海洋ごみ問題に取り組んでいるのが、長野県長野高等学校に通う3年生の北村優斗さんです。
幼い頃は東京暮らしだった北村さんは、高校2年生の時、大好きな場所だった神奈川県・江の島海岸を久しぶりに訪れたところ、プラスチックごみだらけだったことに衝撃を受け、海洋ごみ問題に関心を持ったと言います。また、軽井沢町で開催されたG20エネルギー環境問題担当閣僚会合で、先輩が海ごみ問題の発表を行ったことにも刺激を受けました。「海のごみ問題は、深刻化しているため早く解決したい、色んな解決策を探したいという想いがある」と話す北村さんは、2年生の時から通学路のごみを拾うことを日課としています。そして、課題研究ではグループで海洋ごみ問題を研究し発表。さらに、3年生になった2020年5月には、全国の高校生たちとグループワークやイベントなどを行う学生団体「Gomitomo」を設立。7月には、テレビの人気ゲームバラエティ番組「逃走中」とごみ拾いを掛け合わせたイベント「清走中(せいそうちゅう)」を長野市で開催しました。北村さんは「もっと楽しく環境問題を知ってもらうことが、より多くの人に環境問題を知ってもらう手段になるのではと考えた」と開催した意義について話しています。イベントには約100人が参加し、40キロ以上のごみを拾ったそうです。その他にも、論文をまとめ、講演会を行うなど、海洋ごみ問題を解決するために様々な活動を行っているのです。
今後は大学へ進学し、さらに取り組みを深めていく予定だという北村さんは「ポイ捨てがなくならないとプラスチックごみ問題は解決しないので、人間の心理的な部分だとか、行動経済学などの分野から、どうしたらポイ捨てが減るのか実践的な学びをしていきたいと思っている」と抱負を語っています。
素材提供:日本財団「海と日本プロジェクトin長野」
協力:株式会社長野放送