海の体験機会づくり

外国人が日本の“魚をさばく”を体験~「Sabakeru: Sustainable Seafood Culture from the Japanese Kitchen」~

東京で「Sabakeru: Sustainable Seafood Culture from the Japanese Kitchen」が、2023年11月29日に行われました。このイベントは、魚をさばく体験から各地の海の食文化や海洋環境について学んでもらう活動をしている「日本さばける塾」と、多言語でニュースを配信している「nippon.com」が連携し、日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として開催されました。日本財団 海洋事業部 海洋環境チームの坂根朱華里さんは「これまで日本財団 海と日本プロジェクトは、日本の子ども達に海の恵みや豊かさ、海洋問題などを伝えることをメインに活動してきた。今回はnippon.comと連携することで、さまざまな国の人に海と日本プロジェクトの活動を知ってもらう、魚をさばくことによって海の環境の変化を知ってもらうキッカケになるのではと思っている」と意義を話しています。

この日は、アメリカ、ドイツ、インド、ブラジル、中国、さらにはニカラグア大使など、さまざまな国の人が参加。海洋環境などについて学びながら、魚さばきと寿司づくりに挑戦しました。海の学習では、サーモンに見える「まるで魚」というこんにゃくを使った寿司を提供。魚は海の大切な資源で、今のまま放っておくと海から魚がいなくなってしまう未来もあると紹介し、このイベントを海について考えるキッカケにして欲しいと伝えました。その後、魚さばきと寿司づくりがスタート。まずは、アジの三枚おろしから。参加者は通訳を介しつつ、寿司職人から直接さばき方を教えてもらって実践。次は、さばいたアジを使って柿の葉ずしづくりです。一体なぜ柿の葉ずしづくりを体験してもらったのでしょう。日本さばけるプロジェクトの事務局長・國分晋吾さんは「さばける塾で大切にしていることは、食文化や海洋環境、海の課題などを知っていこうと伝えること。今回は外国人がさばける体験ということで、今の寿司も食文化ではあるが、もっと昔から遡り、お寿司の原型はこういうものだった伝えたくて、柿の葉ずしにした」と言います。体験の最後は、にぎり寿司にも挑戦。そのネタもブリやアイゴなど、日本の海の変化を知ることができるもの。例えばブリは、温暖化などの影響から分布域が北上しているそうで、現在は北海道で多く漁獲されていると伝えました。そして、イベントの締めくくりは、國分さんの「命やそれを育む自然に感謝して『いただきます』」という掛け声のあと、自分たちでつくった寿司を“いただきました”。参加者は「とても面白い体験でした。私たちの国でも寿司は食べますが、つくるのがこれほど大変だとは思いませんでした」、「魚のさばき方も学べて、とても興味深かったし楽しめました」、「初めてアイゴの寿司を食べました。フィリピンではありふれた魚だけど、調理法は全然違います。生で食べるのがこんなにおいしいなんて知りませんでした」と満足気で、非常に有意義な体験になった様子です。初めて外国人に向けてイベントを開催した日本さばける塾。今後について國分さんは「日本さばける塾の良いところは、魚をさばくことを結節点に色んな人がつながれること。今回も海外の方や職人とつながることができたので、今後も異業種や異分野とのコラボレーションをやっていきたい」と語っています。

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