生態系

陸奥湾のアマモを守る経営者~日本一減少しているアマモ場の再生に奮闘する志田崇~

海の環境を影で支えているのが、海草「アマモ」です。群生するアマモ場は「海のゆりかご」と呼ばれ、魚たちの生息・産卵場所になっています。さらに、二酸化炭素を吸って酸素を供給、窒素やリンを吸収して海をキレイにするという役割も果たしています。

そのアマモについて、「これからの環境問題に重要な役割を果たす可能性を感じている」と話すのが、志田内海建設株式会社の代表取締役会長で、NPO法人あおもりみなとクラブの理事を務める志田崇さんです。港湾整備を進めていくうちにアマモの重要性を知り、研究・保全活動を2007年から青森県で行っています。

志田さんが保全活動している陸奥湾は、アマモ場の面積が日本一と言われています。その一方で、アマモ場がなくなった面積も日本一です。その消滅原因のひとつが、海底をかき回しながら漁をする「桁曳き網漁」だと言います。そこで、志田さんが開発したのが「竜宮礁(りゅうぐうしょう)」。桁曳き網漁からアマモの地下茎を守るために、コンクリートでつくられたドーム型の魚礁で、ナマコやウニなどの棲みかにもなります。2013年から青森県の公共事業で扱われていて、陸奥湾での設置数は2万個以上だと言います。この竜宮礁で2019年には水産工学論文賞を受賞しました。

さらに現在は、電気を使わずに小さな風力を利用することで海水を汲み上げ、アマモの水槽の海水を循環させる実験も行っています。この実験は、アマモの養殖だけではなく、漁港や港湾の融雪にも活用できないかと考えているそうです。

これらの活動の他にも、2021年7月に完成予定の「あおもり駅前ビーチ」にもアマモを移植したり、高校生に移植を指導したりするなど、陸奥湾のアマモ再生に力を入れています。志田さんは「私も色んな先輩から教えられてきて活動を続けているので、次の世代にも継承して、世代間を無くして、みんなで青森県の海を良くしていきたい」と語っています。

素材提供:日本財団「海と日本プロジェクトin青森県」
協力:株式会社青森テレビ

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