パラリンピックの種目にもなっているボート競技「パラローイング」。そのパラローイングにおいて、琵琶湖を拠点に選手育成や普及活動を行っているのが、小原隆史さんです。「初めて生まれた子どもに障がいがあるとわかったが、障がいのある子どもがスポーツをする機会が本当になかった」と話す小原さんは、障がいのある・なしに関わらず、スポーツを楽しむ場をつくりたいという思いから、NPO法人「琵琶湖ローイングCLUB」を2014年に設立しました。
その後、さらに活動を広げようと、2016年から4年間、「海と日本プロジェクト」の助成を受けて、「BIWAKO 湖フェス」を開催。このイベントは、ボートだけではなく、SUPなど様々な湖上スポーツを取り入れ、誰でも気軽に楽しめるものにしました。小原さんは「障がいがある人達だけが集まってスポーツをするのではなくて、色んな人を巻き込みたいという想いがあった。その想いを広く発信していきたいと思っていたところ、海と日本プロジェクトに出会って、それまではなんとなくだった夢が、具体的な目標に変わっていった」と語っています。
そして、このイベントがキッカケとなり、たくさんの人がスポーツを楽しむためには「拠点」が必要と考えた小原さんは、地域に根差し、今後も続いていくイベントにしていくために、2020年11月に「びわっ子縁JOYレガッタ2020」を新たに開催しました。このイベントは、これまでのイベントで得た多くの人脈とノウハウをもとに、助成を受けず実施。パラローイングの選手はもちろん、子どもから大人まで約250人が参加し、湖上スポーツを楽しむ人達で大盛況となりました。そんな「びわっ子縁JOYレガッタ2020」は、今回の開催をキッカケに琵琶湖の名物イベントにしたいそう。しかし、このイベントは、拠点づくりの第一歩だと小原さんは言います。「湖上スポーツの普及・大衆化をやりたい。そして、誰もがスポーツを楽しめる場所から誰もが暮らしやすい場所にまで、色んな事業を展開していきたい」と、小原さんは目標を語っています。
素材提供:日本財団「海と日本プロジェクトin滋賀県」
協力:びわ湖放送株式会社