静岡県・浜名湖のアサリが脅威にさらされている。
2009年は6,000トンの水揚高があったが、2017年は約968トンにまで減少している。その結果、2016年と2017年は、潮干狩りが中止になってしまった。
その原因は、エイやクロダイなどの食害、湖の塩水化などがあるが、その中の1つに、貝を食べてしまう貝によるものがある。その貝が、ツメタガイ。これは、日本の近海に生息する肉食の巻貝。殻から露出した部分で、アサリを包み込み、酸を分泌しながら、人間でいう歯の器官で穴を開け、そこから中身を食べてしまう。およそ2日で1匹のアサリを食べ、その被害は甚大。1年でおよそ3000トンものアサリが捕食されているという。ただ、昔はアサリを食べてしまうこと自体、漁業関係者は知らなかった。
そんな脅威に対して、今はアサリを守るための対策が行われている。浜名湖体験学習施設ウォットの館長・加藤修さんによると、「アサリと一緒に捕まえた場合には、海に戻さないという活動をしています」と話す。また、通称「砂茶碗」と呼ばれる卵。この卵から、多い時は3万もの子どもが生まれるが、その駆除活動も行っている。加藤さんは、「ツメタガイもアサリも同じ生き物です。それぞれバランスをとりながら生きていければいんじゃないかなと思いますね」と話す。
ツメタガイとアサリの関係性は、私達と海の生き物の関係にも繋がる。
素材提供:日本財団「海と日本プロジェクトin静岡県」
協力:株式会社 テレビ静岡