岩手県で幻の高級魚とも言われる希少な魚「ホシガレイ」の生息数が、今、減っているという。その理由が、アマモ場の減少。
アマモ場はアマモと呼ばれる海草が茂っている浅い海のことで、小さな魚にとっては無くてはならない場所だという。水産研究・教育機構「東北区水産研究所」の清水大輔主任研究員は「アマモ場には小さな魚の餌になるエビやカニなどがたくさんありますし、大きな魚も入ってきにくいということで、小さな魚にとっての保育園のような生育場としての機能があると考えています」と話す。多くの魚が育つことから「海の保育園」と呼ばれるアマモ場だが、東日本大震災に伴う津波や地盤沈下で大きな被害を受けた。そのため、ホシガレイの生息数もさらに減っていると考えられているのだ。
そこで、水産研究・教育機構「東北区水産研究所」では、今あるアマモ場を最大限に生かした資源回復の研究を続けている。その一環が、ホシガレイの稚魚の放流。アマモ場が数多く点在する宮古湾の奥「赤前地区」では、2018年7月、地元の小学生が5000匹もの稚魚を放流した。大きいものでは、1年ほどで40cmにもなるというホシガレイを放流した小学生は「大きくなって帰ってきて欲しいです」、「宮古の海は美味しい魚が食べられるから好きです」と話す。
美味しい魚を育む宮古の海では、子ども達が願いを込めたホシガレイが育っている
素材提供:日本財団「海と日本プロジェクトin岩手」
協力:株式会社IBC岩手放送