東京都港区で、海のお仕事図鑑プロジェクト実行委員会によるイベント「海のお仕事 こども会議」が11月10日に行われました。これは、2019年の夏、海のお仕事体験イベントに参加した親子が集まったもので、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環として実施されたものです。
夏に行われた海のお仕事体験イベントは、「ライフセーバーのお仕事」や「水族館飼育員(イルカトレーナー)のお仕事」、「浜の調理師のお仕事」といった14種類15カ所で行われたものを子ども達が体験しレポートしました。体験イベントには総勢100人ほどの子どもが参加したと言います。体験した子どもは「漁師の仕事は、網を投げて魚を捕まえるぐらいの仕事かなと思っていました。でも、子どもの魚を生け簀で育てて、餌をあげたりする仕事とか色々あって、すごい驚きました」と、知られざる海のお仕事を体験できたようです。
そして、「海のお仕事 こども会議」では、その子ども達の体験レポートをまとめた「海のお仕事図鑑」が、参加した子ども達に贈呈されました。その他にも、お仕事体験で学んだことから出題されるクイズ大会、活動テーマソング「うみのこ」のライブなども実施されました。そんなこのイベントは、子ども達に海のお仕事を通して得た海への意識や行動の変化を続けてもらうことが目的だそうです。実際に、参加した子どもの中には、「最近、家の近くの砂浜がペットボトルなどのごみが落ちていてすごい汚くて。お母さんと一緒に拾ったりしたけど、そういうことを今後もやりたいです」と語る子どももいました。また、親の中には「娘は海に対する興味が大きく変わったと思います。それに『海ってこういうところもあるんだね』と親子で会話が弾んだりといったことが増えました」と、海のお仕事体験を通じて変化があったと語る人もいました。
そんな海のお仕事図鑑プログラムは、2020年も実施される予定と言います。海のお仕事図鑑プロジェクト実行委員長の山本徹さんは「2019年は、海のお仕事を子ども達にじっくり体験させるということに軸足を置きました。リアルキッザニアのように、実際に子ども達が現場に行って、プロの方達と一緒にリアルに仕事を体験するというものです。2020年は、この事業が続くという前提でのお話ですが、2019年に成果があった、人気があった職業はさらに深掘りできたらと思っています。それと同時に、例えば、海の恵みを食卓に届けるというものでは、漁師さんが魚を獲るという仕事もあれば、市場で流通させる仕事もあれば、加工する仕事とか色々ありますので、単発ではなくて、ストーリー性を持った体験を提供できるよう広げていきたいと思っています」と語っています。