海ごみ

自ら“海ごみ問題”を落語で語る!新進気鋭の若手落語家・三遊亭わん丈の“海落語”への想い【前編】

滋賀県初の江戸落語家として活躍しているのが、三遊亭わん丈さん。年間1,000席もの高座をつとめる若手落語家として大人気となっています。

そんなわん丈さんは、全国各地の学校や保育園などに呼ばれて、子どもを相手に落語を演じることも多いそう。そこで披露している演目のひとつが、「拝啓 浦島太郎さん」という海の落語。「この海ごみのせいで、海ごみのせいで、ワシらがあの本で読んだ浦島太郎の世界は海にはない」という場面があるように、この演目は、プラスチックごみなどの海洋ごみによる海の汚染をテーマにした、わん丈さんの創作落語。なぜ海の落語を披露するようになったのかを、わん丈さんに伺ってきました。

「海の落語の仕事をくださった方が、立川こしら師匠という凄い尊敬している大先輩なんですけど、そのこしら師匠が『新作落語をつくってやってくれないか。海のごみ問題という題材まで決まっている』という風におっしゃって」と、そのキッカケは立川こしら師匠からだったと、わん丈さんは言います。そんな中、自身で落語を創作するというのが、大きな意味となったそうで、「明日の古典落語になる可能性があるものを創作する人って、今、落語家が1,000人いるって言われている内100人いるかいないかと言われているんです。その中の1人として僕を選んでもらえたというのが単純に嬉しくて。それで、こしら師匠のために頑張るじゃないですけど、この世界の先輩に期待してもらえるのは、とても嬉しいことだったので、海の落語を創作したんです」と語ります。

そんな創作した海の落語は、海洋ごみ問題を知ってもらうのに向いていると言います。「落語は想像する分、お客様が頭を使うんですけど、自分の体の中に僕らの言葉を落とし込んで世界観をつくるから、深く心に刻まれるんです。海で今起こっている問題って、知らない人が結構いると思うんですが、落語にすることで海洋ごみの問題を強く自分達の中に刻み込んでもらえると思います」と、わん丈さんは語っています。

「落語は聞いた人の心に深く残る」ということで、とあるお願いをしてみました。それが、海の落語についてのこの取材を、落語として披露して欲しいというもの。わん丈さんは、この無茶なお願いを快く引き受けてくれました。

(後編に続く)

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