日本が議長国となり、6月15日、16日に開催された20カ国・地域(G20)エネルギー・環境相会合。この会合では、海洋プラスチックごみ問題が主要な議題のひとつになり、海洋プラスチックごみ対策について国際的な枠組みが策定された。
そんな海洋ごみ対策が今まさに注目されている中、6月17日に行われたのが、海ごみゼロ国際シンポジウム。このシンポジウムは、海洋ごみ問題の解決に向けた日本の取り組みを国内外に発信する目的として開催。環境省からはG20環境相会合での成果の発表が行われ、原田義昭環境相は「(プラスチック資源循環戦略に基づき)世界トップレベルの目標達成を目指す」と語った。また、環境省の高橋康夫 地球環境審議官は「今月末(6月28日、29日)に大阪で開催されるG20サミットでも、海洋プラスチックごみ問題について首脳レベルで議論が行われる予定」と語った。さらに、シンポジウムには国内外の幅広い関係者も参加。経済協力開発機構(OECD)のロドルフォ・レーシー環境局長は「プラスチックごみは、このままいくと今の5倍に増えるでしょう。私達はこの問題に今すぐ取り組む必要があります。OECDは今年、マイクロプラスチック問題に注力していきます」と発表し、また、ワシントン大学のエレーヌ・ファウストマン教授は「マイクロプラスチックはビールや塩のほか、様々な食品からも見つかっています」と語るなど、海洋ごみにおける最先端の事例とともに、世界での取り組みも紹介された。
そして、海洋ごみに対する日本の代表的な取り組みとして紹介されたのが、日本財団が推進する日本初となる海洋ごみ対策プロジェクト「Change for the Blue」。このプロジェクトの一環で、5月30日の「ごみゼロの日」から「世界海洋デー」の6月8日辺りまでを海ごみゼロウィークと定め、日本全国で一斉清掃を行ったキャンペーン「海ごみゼロウィーク」は、なんと約1,500カ所で開催、およそ50万人が参加したと発表された。
さらに、「海ごみゼロアワード」も発表。これは、海洋ごみ対策に関して、優れた取り組みを全国から募集・選定し、表彰するもの。このプロジェクトには254件もの応募があり、最優秀賞を受賞した「荒川クリーンエイド・フォーラム」を含む8団体が表彰された。秋元司 環境副大臣は「こういった取り組みが海ごみゼロに向けた大きな枠組みになっていくと思います」と語った。
世界が直面する海洋ごみ問題。日本から取り組みの輪が広がりつつある。