高級魚・トラフグ。
長崎県松浦市は、養殖トラフグの生産で日本一を誇る。
しかし、2017年の夏、このトラフグに危機が訪れていた。その原因が、赤潮。赤潮とは、プランクトンの大量発生によって海水の色が赤く見える現象。この現象によって、エラにプランクトンが詰まるなどして魚が死んでしまう、また、発生した海域での酸素濃度が低下し、生き物が生きていけない状態になる恐れもある。そんな赤潮が、伊万里湾一帯で大規模に発生。トラフグやマグロ、ハマチなどが壊滅的な被害を受けた。その被害額の推計は、なんと5億円以上にもなるそう。
その原因は、カレニアミキモトイというプランクトン。7月下旬に松浦市付近で降った大雨、そして、台風による風が、鷹島南部で発生した小規模な赤潮と合わさり、大量発生してしまったという。
同じような現象は26年前にも発生。
今後も台風や集中豪雨といった異常気象が引き金となって、大規模な赤潮が起こる可能性があるという。そこで、県総合水産試験場の平野慶二次長は、「最初の段階の赤潮が、どういう大きさで、どういう規模だったのか、いつからあったのかなどを、観測を強化することで的確に捉えて、大規模な赤潮を抑制する手段に繋げていきたい」と展望を話す。
私達の食卓にも影響を及ぼす赤潮。そんな赤潮を防ぐため、関係者の努力が続いている。
素材提供:日本財団「海と日本プロジェクトinながさき」
協力:株式会社 テレビ長崎