生態系

半世紀以上も前から保護している名物のアワビ

全国でも有数のアワビの漁場が、徳島県美波町。
船上からかぎ型の金具でアワビを引っ掛けるイサリ漁が盛んに行われてきた。

しかし、近年、徳島県産アワビの漁獲量は急激に減っている。ピークだった1987年は230トン近くにも上ったが、現在は60トンほどと7割も減少。その結果、海士歴40年以上の大黒国夫さんは、「(生活や家計が大変で)首つるっていう」と冗談交じりに大変さを語る。

そんなアワビ減少の原因のひとつが、温暖化による海水温の上昇だという。県水産研究課の“中西達也”専門研究員によると、「水温が高いと、浮遊幼生(アワビの子ども)の生き残りが悪くなる。次の子世代の数が減少するという傾向が見られる」と話す。アワビの子どもは、水温が高いと死んでしまうことがある。徳島県の海は、ここ30年間で1.7℃ほど上昇しており、これがアワビ減少の要因のひとつだと言われている。
 
そこで、美波町の阿部漁協では、独自の厳しい規則をつくり、アワビを保護。アワビを傷つける恐れのあるイサリ漁の禁止や操業期間の短縮などの対策に、半世紀以上も前から取り組んでいる。

地元の名物を守るため、出来ることから取り組んでいる。

素材提供:日本財団「海と日本プロジェクトinとくしま」
協力:四国放送株式会社

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