徳島県美波町の大浜海岸。
この海岸は、ウミガメの産卵地として有名な場所。しかし、近年、ここで産卵するウミガメが減っている。1995年は119頭の上陸が確認されたが、2017年は27頭と、最近ではその2割ほどに減ってしまった。日和佐うみがめ博物館カレッタ学芸員の田中宇輝さんによると、その原因は、「海で網にかかってしまうなど、事故によって親亀が減っている。もう1つは、海岸や産卵地などの環境が悪化というのがあります」と話す。
原因のひとつと考えられているのが、周辺施設の明かりなど海岸付近の光の増加だという。これがウミガメの産卵に悪影響を及ぼしていると言われている。ウミガメの産卵はデリケートなもの。街の灯りなどが強いと、上陸すら妨げてしまうことがある。
そこで、対策のひとつとして行っているのが、街灯の工夫。街灯の電球を県内の企業が開発したLEDに変更。ウミガメへの影響が少ない明かりに変えているのだ。ちなみに、このLEDは海外でもつくられているそう。とはいえ、まだ実証実験の段階で、すぐには成果が出ないという。美波町ウミガメ保護監視員の坂口亮さんは、「毎日、一頭ずつでも上陸してくれたらいいなと思ってやっていますが、自然のものが相手ですから、なかなか思うようにはいきません」と語る。
かつてのように、ウミガメが多く訪れる海岸になるよう、大浜海岸ではこれからも取り組みを続けていく。
素材提供:日本財団「海と日本プロジェクトinとくしま」
協力:四国放送株式会社