新潟県の海岸は、ある課題を抱えている。それが、海岸浸食。
海岸浸食は、砂浜の砂が減っていき、陸と海との境界線が陸側へ後退してしまう現象。その要因は、複合的なもので、例えば、信濃川で行っている水害対策の工事によって、海岸へ流れてくる砂が減っていることや、天然ガスの採取によって起こる地盤沈下、その他にも、港の整備による砂の減少など様々だという。
しかし、これら人々の暮らしを向上させる取り組みが、皮肉にも海岸浸食を引き起こした。海岸浸食で、砂浜に棲む貝やカニなどがいなくなり、海水浴場が減少するなど、悪影響が及んでいる。
そこで、砂浜を復元する対策が取られている。
その工事は、砂が海へ流れ出ないように砂浜の周りを囲む。さらに、そこに砂を入れて、元あった砂浜のように復元している。また、海中に、海の中の潮の流れを抑える潜堤なども設置している。これらの取り組みによって、砂浜の回復が見られるだけでなく、海の環境にも変化が。カキやアワビ、サザエなどが棲みはじめ、豊かな海になってきているのだ。
安心・快適な環境の整備と豊かな海を守ること。その両立が求められている。
素材提供:日本財団「海と日本プロジェクトin新潟」
協力:株式会社 新潟放送