漁業の担い手不足は、国内有数の漁場である岩手県も例外ではない。
実際に、県内の漁業関係者は、40年前には2万人を超えていたが、近年では6,300人ほどに。
そんな中、神奈川県からやってきたのが、山崎寛さん。
山崎さんは、漁業就業へのマッチング会をきっかけに2014年に脱サラ。釜石市で漁師として働いている。「昔からやってみたいというのと、やっぱ海が好きなんで」と、漁師に転職した理由を語る山崎さん。近年、漁業関係者が減少しているため、山崎さんは期待の新人。「漁業をやる人達がいないからね。担い手として来てくれることはいいことだと思いますよ」と、山崎さんの親方・堀内孝一さんは話す。また、一緒に働く親方のお母さんの真弓さんも「漁師になりたくて頑張っているから応援してあげたいです」と語る。
とはいえ、まだまだ新人。
親方の元で、荷揚げや出荷作業といった仕事がメイン。その一方で、3年を経て徐々に任される仕事も増えてきた。「今年(2017年)からホヤとワカメのケタを持たせて頂けることになりました」と嬉しそうに話す。ホヤとワカメの養殖施設の一部を全面的に任せられたのだ。順調に一人前の漁師としての道を歩む日々。ただ、将来への不安もあるという。「今は親方のところでやってますけど、自活までの道のりは厳しいと思います」と話す。自前の船や養殖施設を用意しなければならないなど、独立するまでにはハードルが多い。しかし、岩手県で漁師になったことについて、山崎さんは「後悔はないですね」と力強く答えた。
後継者不足に悩む岩手県。新人の山崎さんとエールを送る漁師との絆に未来の光が見えた。
素材提供:日本財団「海と日本プロジェクトin岩手」
協力:株式会社 IBC岩手放送