ウニやサザエ、アワビ。
これらは佐賀県の玄海灘にある離島・松島が誇る海の幸。しかし、ウニを開けてみると、なんと中身がほとんどない。
実は今、玄界灘で深刻な問題が起きている。
それが、海藻の減少。実際に、玄界域の離島に生息している海藻類を調べてみても、減少しているのが分かる。その結果、海藻をエサにするウニの身がほとんどない異常事態に。また、サザエやアワビは、獲れる数が減少している。そして、この海藻の減少が、松島の漁業関係者を悩ませている。
海士歴35年の宗勇さん。
ウニなどを獲って生計を立ててきたが、海藻が減った結果、最近は漁獲量が激減し、海士だけでは生活できないという。なぜ海藻が減ったのかというと「この辺ではバリって言うけど、アイゴ。これが海藻を食べてしまう。最近は、温暖化で冬を越すようになって、(アイゴが)どんどん増えてきている」と宗さんは話す。海藻が減った一因は、海藻を食べる魚が増加したからだと言われている。地球温暖化で海水温が上昇し、アイゴのように海藻を食べる南方の魚が増えたという。
実際に、地球温暖化によって、日本近海の海水温は1.09℃も上昇。これは世界平均の2倍以上と、究めて高い数値。
松島で見られる海の変化がどこまで進むのか、関係者は不安な思いで見ている
素材提供:日本財団「海と日本プロジェクトin佐賀」
協力:株式会社サガテレビ